2度目の脱獄から181日、メキシコ北西部の潜伏先で銃撃戦の末に逮捕され、メキシコ市に移送された“麻薬王”ホアキン・グスマン受刑者=8日(AP)【拡大】
刑務所から昨年7月に2度目の脱獄をしたメキシコ最大級の麻薬組織「シナロア・カルテル」の最高幹部、ホアキン・グスマン受刑者(58)が8日未明、メキシコ北西部シナロア州ロスモチスで逮捕されたが、この捕り物劇には米俳優、ショーン・ペンさん(55)が一役買っていたことがわかった。ペンさんは昨年10月、逃走中のグスマン受刑者と秘密裏にインタビューを行っていたが、この時の面会がきっかけでメキシコ当局は“麻薬王”の潜伏先を突き止めたという。過去2度、米アカデミー主演男優賞を受賞しているペンさんには「オスカー級のお手柄」との称賛の声が上がっている。
自伝映画の制作依頼
ペンさんはメキシコ北西部ドゥランゴ州の山中のアジトで、グスマン受刑者に面会。この時のインタビュー記事が9日、2人が握手している写真付きで米誌ローリング・ストーン(電子版)に掲載された。
面会はグスマン受刑者が要望したもので、麻薬取引の世界に君臨する女を描いたメキシコの人気テレビドラマ「ラ・レイーナ・デル・スル」(邦題は「ジブラルタルの女王」)に主演した女優、ケイト・デル・カスティージョさん(43)が仲介した。カスティージョさんは以前、ツイッターでグスマン受刑者に好意的なコメントをしたことがあり、メキシコ司法当局も注意人物としてマークしていた。