ニューヨークで行われたファッション関係のイベントに夫婦そろって姿を見せた時のデビッド・ボウイさん(左)とイマンさん。遺族はボウイさんの希望を尊重し、バリ島に散骨するのだろうか=2010年6月7日(ロイター)【拡大】
英国の世界的ロック歌手で10日に69歳で死去したデビッド・ボウイさんが、インドネシアのバリ島に散骨してほしいと遺言をしていたことが分かった。複数の米メディアが29日、報じた。ボウイさんは若かりしころ、チベット仏教に傾倒するなど、アジア的なものに関心を持っていたことが知られているが、バリ島との接点はあまり分かっていない。神秘性をたたえたまま逝った伝説的ミュージシャンの終楽章に新たな謎が加わった?
■「仏教の儀式にのっとって」
米紙ニューヨーク・ポストなどによると、遺言の内容はボウイさんの弁護士が29日に米ニューヨーク・マンハッタンの裁判所に提出した遺言状に記されている。遺言状は20ページから成り、2004年8月25日付でボウイさんが署名。この年、ワールドツアー中に独ハンブルクで心臓発作を起こし、14公演を中止した際に準備した遺言状だという。
ボウイさんは死の直前、がんのため18カ月にわたって闘病していたが、遺言の内容はごく少数の人にしか明かしていなかった。大半は財産分与に関する内容だが、自身の遺灰の扱いについて言及した部分もあった。
報道によると、ボウイさんは遺言状で「遺体はバリ島に搬送し、仏教の儀式にのっとって火葬してほしい」と要望。その上で、「もしこの願いが現実的でないのなら、どこかで火葬し、遺灰をバリ島にまいてほしい」と希望していた。ボウイさんの遺体は12日、米ニュージャージー州で火葬されたが、遺灰の扱いは明らかになっていない。
バリ島があるインドネシアは人口約2億5300万人のうち9割近くがイスラム教徒だが、バリ島はヒンズー教徒が圧倒的多数を占める。独特な音楽や芸術性を有し、一部の地域では土葬や火葬にせず、「風葬」と呼ばれる自然に遺体が朽ち果てるのを待つ風習がある。島全体にパワースポットが多数あり、スピリチュアルな意識が高い人々が癒やしや霊感を得る場所としても知られている。
■妻と子供に121億円
ボウイさんとインドネシアの密接な関係は確認されていないが、自身の楽曲「タンブル・アンド・トゥワール」(1984年)の冒頭で「私はその街を見た。そしてボルネオ島行きの次の便に乗った」と歌っていることから、インドネシアで過ごしたことはあるとみられる。
また、バリ島はヒンズー教の地であるにもかかわらず、仏教式にこだわったミスマッチ感も、独特の世界観を持ったボウイさんらしいとみられている。
気になる遺産の方は、ボウイさんは遺言状でほぼ1億ドル(約121億円)と想定。この50%を妻でアフリカ・ソマリア出身のスーパーモデル兼女優のイマンさん(60)が相続。25%ずつを夫妻の長女、アレキサンドリアさん(15)と、ボウイさんの最初の妻との息子で英映画監督のダンカン・ジョーンズさん(44)が受け取るという。
また、これとは別に、長年の個人的アシスタントに200万ドル(約2億4200万円)、ジョーンズさんの乳母だった友人に100万ドル(約1億2100万円)を贈与するとしている。
少なくとも今世紀になってからは一度も訪れていないはずのバリ島に魅せられていたボウイさん。一体、どんなパワーをもらっていたのであろうか。