なぜ、この時期に突然、大量の機密を解除したのかは不明だが、UFOマニアの間では、UFOやオカルトなど超常現象をテーマにした大ヒットテレビドラマ「X-ファイル」の復活と関連づける見方が専らだ。
CIAは今回の公開で「X-ファイル」の主人公でUFOに肯定的な米連邦捜査局(FBI)の特別捜査官、フォックス・モルダーとその相棒で否定的な特別捜査官、ダナ・スカリーに言及。親切にも「モルダーが好みそうな文書トップ5」と「スカリーが好みそうな文書トップ5」までピックアップして紹介している。
肯定派のモルダー好みの文書のトップには「1952年8月に東ドイツで目撃された空飛ぶ円盤に関する報告」が挙げられた。報告によると、旧東独のハッセルバッハで、直径約15メートルもの空飛ぶ“フライパン”が森に着陸していくのが目撃され、通行人の父娘が追跡すると、光り輝く服を着た2人の男が地面を入念に調査していたという。文書にはひたすら目撃情報だけが記され、分析や信(しん)憑(ぴょう)性への言及はないが描写は詳細で迫真性がある。
安全保障の脅威否定
否定派のスカリーが好みの文書のトップは、「1953年1月に行われたUFOに関する米科学諮問委員会の文書」。世界各地での25件の目撃例が紹介され、52年8月5日の羽田空港沖での目撃情報も含まれている。分析結果は「いずれも信憑性に乏しく、軍用機や氷の結晶に反射した光などにより説明できる」だった。さらに委員会では「UFOの目撃情報が国家安全保障上の脅威につながることを示す証拠は存在しない」と、全会一致で結論づけていた。
公開資料は、肯定的なものであっても断定的なものはなく、その点ではUFOマニアを狂喜させるには至っていない。しかし、研究を進める膨大な素材が提供されたのは確かだ。真実はいかに…。