夜行急行「はまなす」 札幌発の最後のラストラン 「本当に残念」惜しむ声

 
急行はまなすの上り最終列車を見送る札幌駅長=20日午後、JR札幌駅(杉浦美香撮影)

 26日の北海道新幹線開業に伴い廃止される、寝台急行はまなす(札幌-青森)の札幌発の最後となる列車が20日午後10時すぎ、鉄道ファンに見送られて札幌駅を出発した。ラストランは21日夜に青森を出発、22日朝に札幌に到着し、28年間の歴史の幕を閉じる。

 午後9時半すぎ、札幌駅にはまなすが入線してくると、鉄道ファンらが一斉にシャッターを切った。

 発売1カ月前に午前3時半から並んでドリームカーのチケットを取ったという函館市の会社員、貞川祐磨さん(28)は「札幌に早朝につくことができるので、生活の足だった。なくなるのは本当に残念」と話す。

 11両編成。最後のため、553席全て指定になっている。21日の青森発のはまなすは発売40秒で売り切れた。

 午後10時すぎ。「昭和63年3月に運行を開始し、多くの皆様に愛されてきました。心から感謝いたします。新幹線という次のステージを迎えます」というアナウンスが流れた。定刻より約10分遅れで真っ白な制服に身をまとった島典賢・札幌駅長が出発の合図を行った。島駅長は動き出したはまなすに敬礼。車内の乗客に手を笑顔で手を振った。ホームの鉄道ファンたちから「ありがとう」という声がわき上がった。

 旭川市から父親と弟と一緒にはまなすを見送った鉄道ファンの小学5年、佐藤翔蔵(とあ)君(11)は「撮るのも乗るのも大好き。カシオペアも見送った。将来は運転士になりたい」と話していた。