マセラティの究極4ドアスポーツ 新型クアトロポルテ 「デートもサーキット走行もこの1台で」

 
マセラティの高性能スポーツセダン「クアトロポルテ」。ラグジュアリー性とスポーツ性を高い次元で融合させている

 マセラティ・ジャパンは16日、内外装を刷新して先進安全技術も搭載した新型「クアトロポルテ」を発売した。エンジンのパワーアップを図るなど動力パフォーマンスを向上。高級ファッションブランド「エルメネジルド・ゼニア」が内装の一部を手掛けるなど、ラグジュアリー性にも磨きをかけた。ちなみにクアトロポルテはイタリア語で「4枚の扉」という意味。高い走行性能に4ドアの快適性を融合させた高性能スポーツセダンを、豊富な写真とともに紹介する。(文・写真 大竹信生)

 インテリアに高級シルクを採用

 1963年に初代が誕生し、2013年に6代目が登場したマセラティの最高峰サルーン「クアトロポルテ」がスタイリングを一新した。

 フェイスリフトを施した外観は、マセラティ創業100周年を記念して作られたコンセプトカー「アルフィエーリ」にインスパイアされたフロントグリルを採用。グリル内部に設けた電動調性式エアシャッターは、エンジンの冷却が必要な時にシャッターが自動で開き、閉じているときは空気抵抗が軽減することで空力性能や燃費性能を最大化させている。

 インテリアはラグジュアリー性を重視した「グランルッソ」と、スポーツ性を高めた「グランスポーツ」の2タイプを導入。「ルッソ」とはイタリア語でラグジュアリーや洗練という意味で、ドアトリムやシート、天井のライニング(内張り)やサンバイザーには、イタリアのファッションブランド「エルメネジルド・ゼニア」が仕立てた高級シルクを贅沢に使用している。「シートにシルクを合わせて大丈夫なのか」と心配になるかもしれないが、マセラティのプロダクトマーケティングマネージャー、細川英祐氏は「その昔、パラシュートはシルクでできていたんです」と耐久性の高さをアピールしていた。一方、「グランスポーツ」の内装はピアノブラックのウッドトリムでクールさを演出。20インチのウラーノホイールに真っ赤なブレーキキャリパーを組み合わせ、アルミ製のシフトパドルを備えるなどスポーティーに仕上げている。この辺りは、過去にF1世界王者を輩出したマセラティのレーシングスピリットを強く感じさせる。

 パワフルな3.8リッターV8エンジン

 フェラーリと共同開発したエンジンは、フラッグシップの3.8リッターV8ツインターボ(530馬力)と3.0リッターV6ツインターボ(350馬力と410馬力)の3タイプを用意。3.8リッターエンジンは時速0-100キロを4.7秒で駆け抜ける加速性能を誇る。

 先進安全機能も充実させた。ストップ&ゴー機能を備えた前走車自動追従装置「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」や、車線の逸脱を警告する「レーン・デパーチャー・ワーニング」、前方車両への追突の危険を知らせる「フォワード・コリジョン・ワーニング」など様々なセーフティーパッケージを用意している。

 車両価格は1206万円から1946万円で、最上級の「GTS」など全10モデルを展開する。

 マセラティらしさ追求…ドイツ勢やレクサスは「意識していない」

 この日の発表会に登壇したマセラティ・ジャパンのグイド・ジョバネッリ社長は、新型クアトロポルテの魅力について「よりパワフルなエンジンを搭載し、居住性と快適性も備えた比類なきスポーツカーだ」と雄弁に語るなど完成度の高さに自信を見せた。日本では1000万円以上の高級車市場が活況だが、競合するドイツ勢やレクサスとは「戦っているという意識はない。私の使命はマセラティらしさを追求することだ」と述べた。さらに、今後のマーケティング戦略にも言及。「たくさんの人がマセラティというスポーツカーブランドを知っているが、潜在顧客に対して、クアトロポルテやSUVのレヴァンテなど具体的な車種の訴求が足りていない」と課題を挙げ、「個別のモデルに特化した情報をマスメディアを通じて発信していきたい」と車種ごとの認知拡大に意欲を示した。

 一人で乗るレーシングカーの技術を4ドアセダンに搭載し、「スポーツラグジュアリーセダン」という新しいカテゴリーを確立したマセラティ。「イタリアらしさ」を維持するため、設計から出荷まですべて国内で行うという徹底した生産体制を敷いている。前出の細川氏いわく「タキシードを着てデートに行くことも、レーシングスーツに身を包んでサーキットに行くことも1台で可能」という“究極のスポーツセダン”をぜひ試乗してみたくなった。