〈仕事の裏話〉ステイ先の過ごし方にも「お国柄」?
CAのここだけの話♪SankeiBizでスタートした新企画、客室乗務員(CA)による「ここだけ」の話。第4回はドバイの航空会社に日本人CAとして乗務8年目の徳山佳楠子がお送りいたします。
▽フライト先の決まり方…希望できる場合も?
飛行機に乗って笑顔でお客様を迎え、機内サービスをする私たちCA。仕事内容は比較的多くの人に知られていますよね。でも実際に飛行機に乗っていると次々と疑問も浮かびあがってくるのかもしれません…。今日は、知っているようで知らなかった(!)ここだけのCAの仕事の裏話をしたいと思います!
まず、よく聞かれる「フライト先は、どうやって決めるの?」ということからお話しましょう。
会社によって違いはありますが、大体前月の中旬から25日までの間に、会社からスケジュール表が渡されます。魅力的なステイ先から、サービスが大変なフライト、休みの日や数、一緒にフライトをするメンバーまでこの時に分かるので、スケジュールが出る頃になるとそわそわしだすのが私たち。
フライト先は希望を出せることも多く、「来月はパリに行きたいなー」「久しぶりにアメリカにいきたい」「◯日は休みがほしい」など、それぞれのリクエストを申請することが出来ます。もちろんすべての希望が叶うことはありませんが、こういった場合は年功序列で決める会社が多いです。
次に、「あの食事の入っているカートは、重いの?」というクエスチョンについて。
大変重たいです!会社によって数に違いはありますが、大体中には30名から40名分近くのミールトレイが入っています。さらにはミールトレイだけでなく、暖かいメインコースと、お水やお酒類などを乗せるため、かなりの重量です。これを引くことで腰痛になる人も後を立ちません。
▽CAは機内のこんな場所で眠っています
また、「空席が多いときには食事は余るの?」と思われたことはありませんか。
答えは「余りません」。搭乗前にその日のフライトの予約人数分を機内に運び込みます。台所を担当するCAは、きちんと数が乗っているかを確認するという大事な仕事があるのです。
またメインコースは選べることが多いですが、その配分は「牛肉対チキンが7:3ね。」の様に伝えられます。カートの中に30個のトレイがあれば、牛肉は21個あるということ。これをうまく配り終えられたときの快感と安心感は、何事にも替えがたいものです。
それから、「CAは機内では休むの?」と私たちを心配してくださっている方もおられるかもしれません。
筆者が働いている会社では、片道が9時間半以上になった場合には、機内にある「カプセルホテル」のような場所での数時間の仮眠が義務付けられています。この「カプセルホテル」の位置は、それぞれの飛行機によって変わるものですが、横になって眠れますし、いつもぐっすりです。時々お客様の椅子に座っての仮眠のこともありますが、この時のCAは疲れきっていますね…。
▽ステイ先の過ごし方は航空会社や国によってこんなに違う
最後に、多くの皆さんが気になっているかもしれない、「ステイ先では何をしているの?」という点についてお答えしましょう。
日系やアジア系の会社の場合、その日のフライトで一緒になったチームで食事をすることが多いようです。もちろん会社に存在する習慣や、その日の最高責任者やキャプテンの意向により変わりますが、食事会への参加が半強制なことも多くあるそう。滞在しているホテルで、見るからに「航空会社!」と分かる御一行が待ち合わせをしている場面を何度も見かけたことがあります。
対して、マチュアな人が多い米系、中東系、ヨーロッパ系ではみなさん超個人主義。皆が集まるのは、フライト先での娯楽が少なかったり、飲兵衛がいてお酒を飲みたいときだったり、そのフライト先に何度も行っていて飽きていたり、逆に目新しい観光地へグループとしてツアーに参加する時くらいではないでしょうか。強制なんてないので楽でいいんですが、逆にステイ先で誰かと出掛けたくても人数が集まらないし、寂しい思いをすることも…
現在中東系でフライトをして8年目の筆者は、目新しい観光地でもない限り、ホテルに引きこもって読書かテレビかインターネット。外に出るのはいつものスーパーマーケットと買い物を兼ねた散歩、朝ごはん会場だけということが多いですね。お気に入りはアジアでのステイです。ご飯の美味しさでフライトへのやる気が変わってくるのです。
いかがでしたか? 表からは見えないCAという職業の裏側が少しお分かりになりましたでしょうか。比較的単純なお仕事ですが、それ以外の同僚とのコミュニケーションや気遣い、お客様への心配りで全く違うお仕事になるのがCAの仕事の面白さ。またうまくいかない日があっても、次のフライトは新たなメンバーで新しいお客様を元気に迎えることが出来るのもいいところ。皆様のご搭乗をお待ちしています!
【プロフィル】徳山佳楠子
とくやま・かなこ 神戸市出身。中学校時代は父の仕事の都合で香港で過ごす。TOEIC900点以上/英検1級取得、中国語を話す。神戸市外国語大学卒業。台湾の航空会社にCAとして初受験・一発合格し就職。その後現在のドバイの航空会社に移って8年目。ファーストクラスを担当。海外生活は10年、訪れた国は80カ国。フットワークの軽さと好奇心の強さで、まだまだCAの仕事をエンジョイ中。
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このコーナーは株式会社AirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。内容は随時更新します。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。
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