〈日本人大好き〉外国人クルーからこんな風に映ってます!
CAのここだけの話♪SankeiBizの読者の皆さんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第5回はアラブ首長国連邦国営航空会社に乗務3年目の野辺真利名がお送りいたします。
弊社には約140カ国の国籍の客室乗務員が在籍しており、国際色豊かな同僚と世界中を飛び回っています。私は日本語スピーカーとして日本路線に毎月最低1本は乗務するのですが、毎回外国人クルーに言われるのが「日本人が大好き」ということ。今回は「外国人客室乗務員から見た日本人のお客様」について赤裸々に語らせていただきます。
▽みんな日本と日本人が大好き
日本食は近年どちらの国でも当たり前に食べられる料理ですよね。先日行ったペルー、ボリビアでも本格的な日本食を楽しめるほど。また、アニメを筆頭に日本の文化も世界中に受け入れられつつあります。しかし、食や文化だけでなく、日本人という人種も世界中の人々に愛され始めているよう。外国人の同僚に「一番好きな路線は?」と聞くと「NARITA」という答えがよく返ってきます。言葉の壁はあるけれど、日本人はチャーミングで謙虚、機内マナーもしっかり心得ているし、要求が少なくスムーズにフライトが進むからとのこと。正直、ほんとー?と私の心の声が漏れました(笑)。
「実際のところどうなの?」と、フライト中に女子会を開くと面白い意見がたくさんありました。
▽無理な謙虚は逆に迷惑?
日本人はシャイで謙虚な人種。謙虚さからか、お飲物いかがですか?と聞くとたまに「大丈夫です」と言われることがあります。念のため再びアプローチすると、「じゃあオレンジジュース」と。一度だけお客様から「クルーが食事中飲み物をくれなかった」とクレームを頂いたことがあります。担当エリアの外国人クルーに聞くと「聞いた時にいらないって言われた」とのこと。飲み物が欲しい場合は初めからおっしゃってくださいね(笑)。特に外国人はとてもストレート。
過剰な謙虚さは理解してもらえませんし、むしろ聞き直すという二度手間に。欲しい物があれば欲しいと意思ははっきり伝えましょう。
▽一度癇に障ると厄介なクレーマーと思われかねないときも
まず、日本人は言葉の壁があるからか、シャイだからか、クレームをあまりフライト中に言いません。よしっと思うでしょう? しかし、一度爆発すると外国人クルーなどからは「面倒なクレーマー」と残念ながら映ってしまうこともあるのです。あるとき、外国人クルーの担当エリアに不満気な態度のお客様が…。訳を聞くと、食べたかった食事がもらえなかったと。そしてそれから顔を合わせるたび、降機まで謝罪させられた挙句、本社にクレームのメールまでも送付されたとのことです。
日本人は良い意味で文化として謝り慣れていますが、多くの外国人には日本ほどの謝罪の文化がありませんし、一度の謝罪で物事が解決するものだと考えています。何かご不満がありましたら、1人で溜め込まず、爆発する前にクルーに一言おっしゃって下さいね。ただ、どうか優しくお願いします(笑)。
▽外国人クルーもビックリ?
機内ってお国柄が結構でてしまう気がします。乗務する路線によっては 今すぐ降ろしてくれと思うほど。それは日本人の私だけが感じているのではなく、マナーのないお客様に嫌気がさすのは外国人クルーも一緒です。日本線が外国人クルーに人気の理由の1つは日本人のお客様のほとんどが機内をとても綺麗に使って下さること。例えば、ミールトレイの返し方、お化粧室の使い方などです。極め付けは降機後の座席に畳まれた状態で置かれたブランケット。これは日本線でしか見られないレアな光景です。やはり日本人は一般教養があって、几帳面だなと感じますし、日本人の良いところ、いや素晴らしいところであり、他国の人々も日本人からマナーを見習うべきとたくさんの外国人クルーが言ってくれます。ベタ褒めです(笑)。
海外生活6年目、30カ国以上の国を旅行してきた筆者も、日本の礼儀作法は他国では見られない美しい文化だと思います。成田からご搭乗される外国人のお客様も日本の礼儀を若干心得て帰っていくのも微笑ましく思えたりもします。
私たち日本人は謙虚ですし、人前でクレームを言うことに抵抗があるのかもしれません。しかし、一番困るのが、小さなクレームを我慢して耐えきれず、機内で突然怒鳴り始めるお客様。これは謙虚なアジア人に多く見られます。話を聞くとそんなことで?ということが多く、怒っていることに気付いてもらえなかったことにご立腹ということも。怒り等、感情は言葉の壁があっても、態度や表情で感じ取れるものですが、200人お客様がいては気付いてあげることができなくなってしまうことも多々あります。
おっしゃって頂ければできる範囲でサービスリカバリーさせて頂ける場合もありますし、やはりたとえ理不尽なクレームを言ってくるお客様にもハッピーに降機して頂きたいという思いは、国籍関係なく客室乗務員共通の願い、目標です。どうかフライト中のご不満はフライト中に解消して下さい。ご自身の心の健康のためにも(笑)。
それでも日本路線は外国人クルーに不動の人気であり、みんな日本人が大好きです。
【プロフィル】野辺真利名
のべ・まりな 高校で3カ月英語留学し海外生活に憧れ、ワーキングホリデーでオーストラリアにてバリスタとして働きながら、豪州旅行を楽しむ。飛行機恐怖症を克服しCAへ転職。1カ月半の南米一人旅を経て貧富の差を目の当たりにし、CAのかたわら貧困諸国への寄付活動を始める。
◇
このコーナーは株式会社AirSol(エアソル)に登録している外資系客室乗務員(CA)が持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。内容は随時更新します。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。
関連記事