〈素顔のベトナム〉優しい人々と活気ある街並み

CAのここだけの話♪
長濱知勢さん

 SankeiBizの読者の皆さんだけに客室乗務員(CA)がこっそり教える「ここだけ」の話。第7回はベトナムの航空会社で日本人CAとして乗務2年目の長濱知勢がお送り致します。

▽変わりゆくベトナム

 現在、経済成長が著しく、ASEAN諸国の中でも最も注目されるベトナム。SankeiBiz読者の皆さまの中にもベトナムを訪れる機会のある方、起業や投資をお考えの方は多くいらっしゃることと存じます。皆さまはベトナムという国にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

 筆者はベトナム・ホーチミン市在住2年目ですが、ベトナムに住む前は少なからず「社会主義国」ベトナムのイメージがありました。しかし実際ホーチミン市で生活してイメージが覆ったことが多々あります。ベトナムの中でも特にホーチミン市は、街や人々が活気に満ち溢れており全く閉鎖的な印象を感じません。ここ1、2年を見ても数多くの外資系の企業、デパート、大型スーパー、コンビニエンスストア、飲食チェーン店などが進出しています。郊外には高層マンションやオフィスビルなどの建設が進んでいます。「この前までここにこの建物なかったよね?」「あれ、また新しく工事してるの?」と、目まぐるしく1ヶ月単位で街が変化していきます。ホーチミン市も近隣諸国の大都市のように発展していくのでしょうか。今後も変わりゆくベトナムを見守るのが楽しみですね。

▽国民性は? ベトナム人と働くってどんな感じ?

 弊社では日本人CAは全員ハノイかホーチミン市を拠点に、基本的に日本線には1名の日本人CAが乗務しております。時にお客さまや知人から「ベトナム人と働くってどんな感じなの?」といったご質問を頂くことがあります。ベトナム人は北部と南部の方で多少性格に違いがあると言われていますが、筆者が暮らす南部ホーチミン市の人たちはフレンドリーで楽観的な性格の人が多いです。一方、首都ハノイを中心とする北部の人たちは真面目で思慮深い人が多いように感じます。

 また、お世話好きなことも特徴の一つです。特に食事面を気に掛けてくれる人が多く、

 その日一緒にフライトするメンバーのご飯を用意して持って来てくれるといったベトナム人ならではの心遣いを感じることがよくあります。テト(ベトナム旧正月)の期間にはおせち料理を持ち寄って乗務員内でお祝いするフライトもあります。また日本のお正月と同様にお年玉を渡しますが、ベトナムでは大人が子供に渡す以外に上司が部下にお年玉を渡すという風習があります。職場でのコミュニケーションも増えますし、意欲的に仕事に取り組めますね。

 ベトナムでは女性の社会進出が進んでおり、会社役員や管理職に就く人の割合がアジアの中で最も多いことで知られています。弊社でも出産後も両親やベビーシッターに家事、育児を手伝ってもらい仕事を続けるベトナム人ママさんCAが多いです。女性も働いて家庭を支えるという思考が大変強いように感じます。

 一方、ベトナム人CAは日本人CAのことを働き者、礼儀正しい、穏やかと感じるようです。日本人に良いイメージを持ってフレンドリーに接してくれる半面、時にそれはちょっと…不躾かなと思われる質問をされることもあります。「お給料はいくら?」「家賃はいくら?」。日本人からすると率直過ぎて、答えるのに躊躇しますよね。もちろん彼らに悪気はありません。単にお金の話が好きなだけです(笑)。筆者も当初は衝撃でしたが、今や上手くかわせるようになりました。

 また日本と同様に上下関係はありますが、基本的に小さいことは気にしない国民性なので風通しが良く働きやすい環境です。

 日本人からすると少しテキトーかな、マイペースかなと思うこともありますが、ここはベトナム。日々彼らの優しさに助けられて働いていることに感謝し、ベトナム文化を楽しむ位の余裕を常に持っていたいですね。

▽ホーチミン市の交通事情

 ベトナムといえば道路を埋め尽くすバイクが一種の観光名物のようになっていますね。

 日本人にとって自動車が第一の移動手段であるように、ベトナム人にとってバイクは生活の足として欠かせない存在です。

 特にホーチミン市は人口が多いため、バイクの量もかなり多く通勤、帰宅の時間帯は交通渋滞にはまり、30分程抜け出せないこともあります。信号が変わると同時に一斉に走り出すバイクの集団は大迫力です。滞在中にスリルを味わいたい方は、ベトナムの免許証を取得すればバイクのレンタルも可能です。必要書類を交通局に提出すれば、約10日で免許証が受け取れます。少し難易度が高いですが、是非お気を付けてご体感下さい。

 次いでバスを利用する人も多くいます。ローカルバスは路線によりますが、5000~6000ドン(約25~30円)で乗ることができます。空港から市内中心部へ行くには152番線に乗車し、約30分で到着します。

 デメリットは時刻表がないので次のバスが何分後に来るか分からないということですね。

 お時間に余裕のある方は気長に待ってみて下さい。恐らく15~20分ほどでバスがやって来ます。またローカルバスは始発のバス停以外から乗車する際は完全に停止しませんので、小走りでバスに追いつき乗車しなければなりません。お年寄りやお子さまに優しくないですよね…皆さまも、もし途中から乗車する際は十分お気を付け下さいね。

 交通ルールは日本と違い歩行者が優先ではありません。自動車、バイクが優先ですので、道路を横断する際は注意して下さい。

 一方、外国人はもっぱらタクシーで移動します。初乗り料金は11000~12000ドン(約50~60円)、空港から市内中心部まで約6kmの距離で約150000~200000ドン(約750~1000円)程度です。タクシー料金が安価なので長距離も気軽にタクシー移動できますね。筆者の暮らすホーチミン市で安心、安全として人気なのが白いVinasun、緑のMailinhです。空港周辺にはタクシーが多いですが、どのタクシーに乗れば良いか迷った時は白か緑を選ぶことをお勧めします。

 また配車アプリも利用されており、筆者もUberや東南アジアを中心にサービス展開されているGrabには日常的にお世話になっています。これらの配車アプリはタクシー、自動車、バイクも選択することができます。

 現在、ホーチミン市ではベトナム初となる地下鉄建設工事の真っ最中です。2020年より1~6号線と順次開通の予定で、開通後はホーチミン市のバイクによる交通渋滞の緩和も期待されるでしょう。時代とともにホーチミン市の景色も変わりゆくとすれば、観光名物であるバイクの集団を見ることができるのも今のうちかもしれません。皆さまもぜひお早めにベトナム・ホーチミン市へお越し下さいね。

【プロフィル】長濱知勢 

 ながはま・ちせ  関西外国語大学卒業後、輸入車ディーラーでショールームアテンダント、日系企業で総合受付として勤務。大学時代にはカナダにて語学留学を経験。現在はベトナム・ホーチミン市に在住し、現地の航空会社でCAとして主に日本線に乗務。旅、飛行機、自動車が好き。趣味はアフタヌーンティー巡りとサッカー観戦。

 このコーナーはエアソルに登録している外資系CAが持ち回りで担当します。現役CAだからこそ知る、本当は教えたくない「ここだけ」の話を毎回お届けしますので、お楽しみに。内容は随時更新します。エアソルはPR、商品開発、通訳、現地リサーチ、ライター業務等、現役CAの特性を活かせるお仕事を副業としてご紹介しています。

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