ソウルで行われた米国への大学進学適性試験が行われる会場の門前で、土下座しながら試験の成功を祈る学生。過度な競争社会が生み出した異様な光景だ=2013年11月7日(AP)【拡大】
こうしたカンニングビジネスは、韓国では珍しくない。
2004年には携帯電話のショートメールを使った集団カンニング事件が発覚。09年には、無線イヤホンを使った事案が摘発された。いずれも実際に受験した英語に堪能な男らが、正しい回答を、中継の共犯者に携帯電話のショートメールなどを使って送信。それを、事前に謝礼を払った他の受験生に再送信する手口だった。
東亜日報によると、12年にはTOEIC対策専門の語学学校の「ハッカーズグループ」が、社員にTOEICを実際に受験させ、特殊レコーダーやマイクロレンズを取り付けたボールペンなどを利用して試験問題を流出させて問題となった。
さらに、今年初めには米国の大学進学適性試験(SAT)の問題流出が発覚している。
韓国ではカンニング事件は枚挙にいとまがない。つまり、語学を学び、その言語を使う他国を理解しようとする真摯(しんし)な姿勢はない。歪んだ教育競争社会のなれの果てがそこにはある。