【木下隆之の試乗スケッチ】アルファロメオ ステルヴィオ 「悪魔の梯子段」が異名のSUV (2/3ページ)

  • イタリアのステルヴィオ峠を走る「ステルヴィオ」
  • ステルヴィオと木下さん
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオ
  • ステルヴィオの車内
  • ステルヴィオの車内
  • ステルヴィオの車内
  • ステルヴィオの車内
  • ステルヴィオの車内
  • ステルヴィオの車内


 走り自慢のコンパクトスポーツをわざわざ日本から空輸して挑んだのだが、オーバーヒートとブレーキのフェードに悩まされた。勾配はきつく、名ばかりのスポーツカーではパワー不足を晒すことになる。下りは下りで、ブレーキが音をあげる。特徴的なのは、登りはひたすら登りのみ。下りはやすむことなく下りが連続する。エンジンにもブレーキにも酷な環境なのだ。

 しかも、短い直線と直線をつなぐヘアピンカーブは、1速ギアの守備範囲。超タイトなのだ。端から眺めると、巨人が山脈に爪を立てたようである。悪魔の梯子段の異名も相応しい。ステルヴィオ峠はそんな、走り屋を魅了しながらも強く拒絶する難所なのである。

◆自信裏付けるデータもズラリ

 そう、そんな世界的な難所の名を、SUVに命名したことが驚きなのだ。百歩譲ってスポーツカーならばよしとしよう。だがステルヴィオは背の高いSUVである。よほどの自信がなければ、ステルヴィオとは名乗れますまい。

 一抹の不安を抱えながら、試乗プレゼンテーションに耳を傾けていると、自信を裏付ける刺激的なデータが次々に僕を驚かせた。

「前後重量配分50:50」

「直列4気筒2リッターターボ」

「最高出力280ps」

「最大トルク400Nm」

「前後可変トルク4WDシステム」

「常用FR駆動」

「軽量カーボン製ドライブシャフト」

「車両重量1810kg」

「ロール角度約50%」

「ロール軸ジュリア(アルファロメオのセダン)と同一」

「空気抵抗係数0.30」

「最大横加速度0.95g」

「ステアリングギアレシオ12:1」

「最大制動距離(100-0km/h)37.5m」

 スポーツカーの紹介と見まごうばかりの攻撃的な文言である。

ステアリングもキレッキレ!