世界の自然災害リスク、最悪はバングラデシュ ワースト10に比や印など
アジア新興国は世界の中で自然災害リスクが高いことがわかった。英調査会社メープルクロフトの自然災害リスク地図で、リスクが最も高い10カ国・地域に6カ国のアジア新興国が入った。バングラデシュの英字紙デーリー・スターなどが伝えた。
経済グローバル化時代にあって、自然災害リスクは、その国の経済損失につながるだけでなく、サプライチェーン(部品供給網)の寸断を通じて周辺国に進出した企業にとっても不確実要因となる。自然災害リスクは経済活動に直接・間接的に影響を及ぼすため、投資や進出に当たって軽視できない要因だ。
メープルクロフトが8月に公表した自然災害リスク地図によると、経済規模に対する相対的なリスクが最も大きな国はバングラデシュで、フィリピン、ミャンマー、インド、ベトナム、ラオスもワースト10に入った。これらの国は、地震、台風(サイクロン)、洪水などの自然災害に見舞われる可能性が高いだけでなく、ひとたび災害に遭うと、国内総生産(GDP)に大きく響く恐れがある。建築物の強度不足や排水溝などインフラの不備や、予測警報体制の構築といった社会的対策の遅れも要因となっている。
自然災害リスクの絶対的な被害推定額が高かったのは、日本、米国、中国、台湾、メキシコなどだが、これらの国・地域は災害への対策が充実している。復旧も早く、GDPに対する自然災害による経済損失の割合は比較的小さい。
ドイツ保険会社大手のミュンヘン再保険によると、2011年の自然災害による経済損失額は推定3800億ドル(約29兆9400億円)で、これまで最大だった05年の2200億ドルを約72%上回った。東日本大震災による損失額は約2100億ドルで、同年の世界損失額の約55%を占めた。これには民間保険が適用されない原発事故による被害は含まれていない。
昨年は、タイが大規模洪水(同400億ドル)に襲われたこともあり、世界の自然災害による経済損失額の約70%がアジアで発生した。
タイの洪水では、日系企業が数多く進出する7カ所の工業団地が浸水し、部品供給が滞ったためにマレーシアやインドネシアで自動車生産が一時ストップした。タイはパソコンの記憶装置などに使われるハードディスクドライブ(HDD)の生産基地で、世界供給の25%が洪水による直接的な被害を受け、昨年第4四半期(10~12月期)にHDD価格は55%も上昇した。(シンガポール支局)
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