自動車部品の溝、なお深く TPP日米事務協議再開

 

 日米両政府は米ワシントンで9日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に絡む2国間の事務レベル協議を再開した。協議にはメキシコとカナダも参加し、自動車分野の妥結点を探る。日米が月内に開催を目指す交渉参加12カ国の閣僚会合での大筋合意に向け、調整を加速させたい考えだ。ただ、交渉は知的財産などでも各国の意見の隔たりは残り、月内の閣僚会合開催は微妙な状況だ。

 11日までの事務レベル協議は、自動車部品の関税の扱いや、参加国内製の部品をどの程度使えば、完成車が関税撤廃・削減の対象になるかを決める「原産地規則」などを協議する。

 原産地規則では、日本とカナダ、メキシコとの利害対立が根深く続いている。

 自国に多くの自動車部品産業を抱えるカナダとメキシコは、参加国内からの部品調達比率について、米国との北米自由貿易協定(NAFTA)で定める62.5%以上を求め、参加国内での輸出増につなげたい考えだ。

 一方、中国など不参加国からの部品調達も多い日本は40%程度を要求。日本と同様に、不参加国からも安い部品を調達したい米国は日本に歩み寄りを示しているという。今回の協議で日本はカナダとメキシコの説得を試みるが、「状況はかなり厳しい」(交渉筋)という。

 来月19日に総選挙を控えるカナダは与党が敗北し、現政権での交渉継続が難しくなる可能性があり、甘利明TPP担当相は「カナダの総選挙の時期を越えてしまうと、近いうちにまとめあげることはかなり厳しい」との見方を示す。

 7月末に米ハワイ州で開かれた閣僚会合では、知的財産の新薬データ保護期間で米国とオーストラリアなどが対立。乳製品の関税をめぐってもニュージーランドと日米などとの隔たりは大きく、大筋合意には至らなかった。

 米国は一部の参加国に対し、今月下旬の閣僚会合開催を打診したもようだが、「11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前後での開催が次の節目」(交渉筋)との見方も出ている。(西村利也、ワシントン 小雲規生)