「アベノミクス」第2ステージ本格始動 GDP600兆円へ「強い経済」加速

 
記者会見する安倍晋三首相=7日、首相官邸

 安倍晋三首相は7日、第3次改造内閣を発足させ、経済政策「アベノミクス」の第2ステージを本格始動させた。国内総生産(GDP)を中長期的に600兆円へ引き上げる「新三本の矢」を大目標に、経済最優先で政権運営にあたる。ただ、足元の景気は勢いを欠くうえ、デフレ脱却にも手間取っている。2017年4月の消費税率10%への引き上げを見据え、経済の足腰をどこまで強くできるかが課題となる。

 「GDP600兆円を目指す経済政策を一層強化しなければならない」。安倍首相は7日の記者会見で、国内景気の回復に全力を注ぐ姿勢を示した。今後の政権運営をめぐっては「強い経済」「子育て支援」「社会保障」を「新三本の矢」として打ち出しており、とりわけ「強い経済」の実現を加速する考えだ。

 その武器となるのが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)。日本の主力産業である自動車分野で輸出拡大の追い風になるうえ、輸入食品も値下がりし消費拡大が期待されるからだ。

 安倍首相はさらに「雇用、所得を増やすため、経済の好循環を回し続ける」と強調。今月中旬から経済界との官民対話を再開して、企業の競争力強化に向け一段の法人税減税を検討する一方、企業には賃上げや設備投資の拡大などを促して、経済成長に向けた道筋を確かにしたい考えだ。

 来年夏の参院選をにらみ、景気浮揚の“即効薬”となる経済対策にも着手する。TPP関連や地方創生などに数兆円規模の補正予算を組むとの見方もある。

 もっとも「強い経済」の実現には課題も山積する。消費が弱含みで推移する中、物価上昇は長続きせず、最優先課題としてきたデフレ脱却は道半ばだ。消費税率を10%に引き上げた時の軽減税率など負担軽減策も与党の調整難航で、議論が暗礁に乗り上げている。さらに景気対策を優先するあまり、歳出が膨らみ、経済再生と両輪だったはずの財政再建の規律が緩む可能性もある。直面する数々の難題にどう対処し、17年4月の消費税増税に耐えうる強い経済基盤を構築できるか。「実行、実行、そして実行あるのみ」。会見でそう繰り返した安倍首相の覚悟が問われている。