日銀マネーストック、現金は13年ぶり高い伸び マイナス金利影響か

 

 日銀が9日発表した2月のマネーストック(通貨供給量、月中平均残高)速報によると、市中で流通する現金は前年同月比6・7%増の90兆3千億円で、平成15年2月以来13年ぶりの高い伸びを記録した。マイナス金利が導入されて預金金利が一段と低下する中、一部の家計が預金を引き出した可能性もある。

 日銀が1月29日に導入を決めたマイナス金利は、民間銀行が日銀に預けるお金の一部に事実上0・1%の手数料を課す仕組み。

 銀行は少しでもコストを圧縮しようと預金金利を大幅に引き下げた。市場では「日銀はマイナス金利幅をさらに広げる」との見方が強まる中、自分の預金にマイナス金利が課されるかもしれないと警戒した家計が現金保有を増やした可能性もある。

 ただ、預金も4・5%増の540兆6千億円。全国銀行協会がまとめた2月末の預金・貸出金速報でも大手5銀行の実質預金残高は5・9%増と13年ぶりの高い伸びを記録した。その一方、貸出金残高は1・8%増にとどまった。

 保険会社などの機関投資家や地方銀行は、超低金利下で顧客から集めたお金の運用に四苦八苦。辛うじて金利がつく大手銀の預金に取りあえず資金をシフトさせたとみられる。

 「住宅投資や企業の設備投資が増える」。日銀はマイナス金利政策の意図をこう説明するが、これらのプラス効果が出てくるのはまだ先のようだ。