安倍首相、待機児童問題「万全を期す」 ひたすら低姿勢に転換

 
参院予算委員会で自民党の藤井基之氏の保育園問題についての質問に答える安倍晋三首相=14日午前、国会・参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)

 安倍晋三首相は14日の参院予算委員会で、子育て政策について「子供を産み育てる若い家族を取り巻く環境を、もっと温かく配慮に満ちたものにしなければならない」と述べ、待機児童ゼロに向け、政府として万全を期す考えを示した。

 首相は、子育て中の女性を中心に集まった待機児童解消を求める約2万8千人の署名について「私も拝見した。なかなか保育所に預けることができないという切実な思いが伝わってきた」と言及。「仕事と子育てが両立できるよう、働く方々の気持ちを受け止めながら、待機児童ゼロに向けて万全を期していきたい」と述べた。

 首相は保育士の待遇改善についても、「経験を積んだ保育士に対し、十分な処遇が行われることが重要だ」と強調。平均勤続年数が11年以上の場合に、加算率をさらに1%引き上げていることなどを説明したうえで、「待遇改善には最優先で取り組む」と意欲を示した。

 7日の参院予算委では、福島瑞穂氏から「政策の失敗だ」と批判された首相が「政策の失敗というが、失敗ではなくて、福島委員が政権におられたときよりも(保育所の受け皿を)20万人、40万人増やしている」と色をなす場面もあった。

 しかし14日には「今までの倍以上のペースで受け皿をつくってきた」と述べるにとどめ、経済政策の論争で多用している民主党政権批判も封印した。

 待機児童問題では、「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログに対し、首相が当初「匿名である以上、確認しようがない」と突っぱね、野党や世論の反発を受けた経緯がある。自民党からも「最初からパッとやっておけばトラブルは起こらない」(伊吹文明元衆院議長)と初動に対する批判が出ていた。

 このため14日はひたすら低姿勢に転換し、鎮火を試みた形だ。夏の参院選に向け、不安要素を早めに摘み取る狙いもありそうだ。