金融経済会合 スティグリッツ教授の提言要旨

 

 国際金融経済分析会合に出席したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授の提言の要旨は次の通り。

 ▽2016年の世界経済はさらに弱くなるだろう。まだ危機ではないが景気後退の可能性は高い。経済はリーマン・ショック後の不況から健全な状態に戻っておらず、先進国で多くの失業が発生し格差が拡大。

 ▽米国経済は伸び悩み、欧州のユーロ危機は一時的な小康状態にあるだけ。中国は深刻な経済減速となる見込み。原油価格の下落は悪影響が便益を上回っている。

 ▽世界的な総需要の不足が中心的な課題であり、効果的な手段は財政政策。国際協調で需要を創出すべきだ。消費税は総需要を増加させるものではなく、今のタイミングで引き上げるのは適切でない。

 ▽先進国内での日本のリーダーシップ発揮が前に進む一歩になる。

 ▽金融政策はおおむね役割を全うした。マイナス金利政策は副作用をもたらす可能性も。

 ▽国の資産と負債の両面を見ることが適切。教育やインフラへの政府支出は投資であり経済を刺激する。環境税や相続税増税も景気刺激に役立つ。法人税減税は投資拡大に寄与しない。

 ▽賃金上昇と労働者保護を強化する施策も世界の総需要を増やす。