国産志向、牛乳が94%で1位 「TPPと食品購入」めぐり意識調査

 
岩手県八幡平市の梶本牧場で搾乳する梶本希さんの妻、美香さん

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の承認案と関連法案が閣議決定され、4月から国会での審議が本格化する。こうした状況下で、調査会社のネオマーケティング(東京都渋谷区)は「TPPと食品購入に関する生活者意識調査(全国の15~69歳の男女1200人が対象)」を1月に実施した。

 調査結果によると、さまざまな食材のうち国産を買いたい人の比率が最も高かったのは「牛乳」で94.3%。「穀類」の93.7%、「鶏卵」の93.0%より国産志向が強かった。

 中央酪農会議の内橋政敏事務局長は「日本の酪農家への信頼が調査結果に表れた」とみる。「食材や食料品を購入する際に最も重視することは?」との質問に対する回答は「味」(27.3%)、「価格」(26.1%)に次いで、「国産であること」(15.9%)がトップ3に入った。

 TPPが発効するとバター・脱脂粉乳に民間輸入枠が創設され、チーズも関税が削減されていくため、中長期的に乳製品輸入が増加する見通し。人口減で牛乳の消費も減少すると見込まれ、減り続ける酪農家を取り巻く環境はさらに厳しくなる。

 内橋事務局長は「先行き不透明な中で規模を拡大しようとしても、牧場の人手不足は深刻。搾乳ロボットの導入や、飼料作物生産の外注化など、労働負荷の軽減も重要」と指摘。国も飼料作物の協業生産や搾乳ロボット導入などを補助するために地域ぐるみで酪農家の収益性を向上させる取り組みを支援する。

 こうした中、意欲的に牧場経営する若手酪農家も多い。岩手県で乳牛六十数頭の牧場を経営する梶本希さん(34)は「飼料生産は外注し、酪農ヘルパーも利用している。そうすることで空いた時間で始めたアイスクリームやジェラートの製造を行っている」と話す。

 梶本さん自身、かつて酪農ヘルパーだった。JA新いわてなどの協力を得て25歳のときに10頭から牧場経営を始めた経験を持つ。「良い牛から良い生乳を搾り、良い乳製品を作れば価格が高くても消費者は購入してくれる。これからはそんな時代になると考えている」と話す。