川沙新鎮で生態重視の農業 上海ディズニー付近で環境改善

提供:中国新聞
建設中の上海ディズニーランド=2月、上海市浦東新区(中国新聞社)

 上海市浦東新区の東部に位置し、96.7平方キロメートルの面積を有する川沙新鎮は今年6月に開園する上海ディズニーランドの建設地だ。同鎮の夏輝・副鎮長によると、ディズニーランドの建設は同鎮の農業に大きな変化をもたらしたという。

 夏副鎮長が「5、6月になれば辺り一面がつやつやとした緑色にあふれ、美しい景色が広がる」と自慢げに語るのは、改革を行った後、すでに軌道に乗ったという稲作農業だ。

 以前、同鎮には至るところに野菜のビニールハウスが広がっていた。しかし、一部の農家が目先の利益欲しさに生産効率を過度に重視した結果、化学肥料により土地の生態系は破壊された。無数のビニールハウスは景観を壊しただけでなく、日光の照り返しで周辺住民の生活にも悪影響を与えていた。

 そんな中、ディズニーランドの建設が決まった。「このままでは全体の環境要求にそぐわない」(夏副鎮長)と考えた同鎮は、面積の3分の1を占める農地の保護に着手。生態環境の改善、農業の発展、農民の増収を実現するためには優良品種の作付けと生態系農業発展が必要不可欠との結論に至ったという。

 そして昨年6月、同鎮の大改革は完成し、2万6000ムー(1ムーは約6.67アール)ある農地のうち、約87%が各種の方法で大規模経営に生まれ変わった。

 現在、同鎮には稲作を主とする家庭農場(家族を主な労働力とし大規模化した新型農業経営体)が47カ所となり、昨年だけでも5000トン強の良質な米が生産されている。夏副鎮長によれば、政府は毎年、1000万元(約1億7300万円)近い補助金を支給し、土地改革を行う農民をサポートしているという。

 外資系企業の幹部を辞めて帰郷した趙淑俊さんは現在、父と作った無農薬米をインスタントメッセンジャー「微信(ウィーチャット)」のグループ投稿機能「朋友圏(モーメンツ)」などを利用して販売。光明食品集団などの企業とも販売協定を結び、今後は生態系農業観光などの展開も考えているという。

 また、米国籍の華人、田月皎さんが創設した百欧歓有機生態農場は「地域が支える農業(CSA)」モデルを採用。会員制で生産量に応じた分配方式をとっているほか、市内の高級ホテルやレストランに卸している。

 夏副鎮長は今後も生態系農業の促進と優良品種での付加価値の向上に取り組むと話している。(中国新聞社)