「民泊」許可制で解禁 「切り札」拡大の動向見えず 自治体規制も
一般住宅に観光客らを有料で泊める「民泊」が、1日から許可制の形で解禁される。旅館業法の「簡易宿所」とし、許可を取りやすくするため面積基準を緩和した政令を施行。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて政府が外国人旅行客の増加を目指す中、宿泊施設不足解消の「切り札」と期待されるが、営業地域に関する規制も残り、参入がどの程度増えるかは見通せない。
今回の改正では旅館業法の許可制とする一方、一律に「33平方メートル以上」としていた簡易宿所の客室の延べ床面積基準を「宿泊者が10人未満の場合は1人当たり3.3平方メートル」と緩和。フロントの設置は、宿泊者の本人確認や緊急時の対応体制が確保されれば求めないことにした。
ただ全国的には条例などで細かい基準を設けている自治体もある。東京都新宿区は独自の条例でフロント設置を規定。「定員5人以下で便器は2つ」「浴室を男女別に1つずつ」などのルールも設けている。
民泊の営業に関する相談は、昨年9月までの半年間で計10件だったのに対し、今年1月に11件、2月に16件と急増。「マンションで営業したいので基準を教えてほしい」といった内容が目立つ。それでも担当者は「近隣住民とのトラブル防止など本質的な問題が解決されていない状況で許可できるのか。住民との調和も含め総合的な判断が必要だ」と慎重な姿勢を示す。
一方、4月以降も簡易宿所を含むホテルや旅館と同様に「住居専用地域」での営業は原則できないことになっている。耐火基準や避難経路の確保も求められる。不動産業者などを対象に民泊のセミナーを実施してきた埼玉県の行政書士は「今後は、こうした点を定めた建築基準法の見直しなども必要」と訴える。
厚生労働省は家主が同居する「ホームステイ型」など一定の要件を満たす民泊については、将来的に届け出だけで営業できるようにする方針。都内にマンション2部屋を持つ30代の会社員男性は「簡易宿所に関する現行基準は細かく、当面許可を申請する考えはない」。さらなる規制緩和が進むかどうか推移を見守る構えだ。
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