大企業景況感、円高で減速 2四半期ぶり 鉄鋼・輸出が不振

 

 日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、景況感を示す大企業製造業の業況判断指数(DI)が前回の昨年12月調査から6ポイント大幅下落のプラス6となり、2四半期ぶりに悪化した。中国など新興国経済の失速に加え年明け後の円高株安が響いた。消費低迷も続き、非製造業や中小企業にも悪化が広がった。

 3カ月後を示す先行きも、大企業、中小企業ともにさらに悪化を見込んでいる。

 非製造業の最近のDIは3ポイント下落のプラス22、中小企業の全産業は2ポイント下落のプラス1で、いずれも6四半期ぶりに悪化した。DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数値。

 業種別に見ると、中国の供給過剰による市況悪化を受け鉄鋼が大きく低下。自動車や電気機械など主要な輸出産業でも不振が目立った。非製造業では、訪日外国人による消費に陰りが見え、小売りや宿泊・飲食サービスなどの景況感が悪化した。

 成長力の強化に欠かせない設備投資では、2015年度の大企業全産業の計画(ソフトウエアを除く)が前回調査から0.9%下方修正された。16年度も前年度比0.9%減の計画で、力強さを欠く内容となった。

 大企業製造業が想定する16年度の為替レートは1ドル=117円46銭。足元の円相場は1ドル=112円前後で推移しており、このままでは為替差損が膨らんで業績がさらに下振れる可能性もありそうだ。

 調査は1万930社を対象に2月25日~3月31日にかけて実施した。