訪日客向け宿泊施設を拡充 地方でホテル建設や旅館・古民家改修

 
観光客に人気の周遊用の馬車が走るJR由布院駅前の街並み。地方にも外国人観光客の姿が増えている=大分県由布市

 訪日外国人旅行者を東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に現在の約2倍の4000万人に増やす目標達成に向け、政府は宿泊施設の不足対策を急ぐ。三大都市圏だけでなく、地方都市でも大規模なホテルが建てられるよう、自治体に規制緩和を要請。古民家や廃校を宿泊施設に改修する取り組みも支援する。大都市に偏る訪問先の分散を目指し、地方の旅館で洋式トイレ整備なども進める。

 ホテルの建設促進では、敷地面積に対する延べ床面積の割合を示す「容積率」の規制を緩め、より大きな施設を建てられるようにする。大都市を中心に、満室に近い状況となっていることを踏まえた。

 商業地でホテルを建設する際の容積率は、建築基準法などに基づき200~1300%で自治体が上限を定めており、東京、大阪の中心部の再開発地区などに限って緩和されてきた。

 国土交通省は夏にも、こうした地区以外でも緩和できるとの指針を全国の自治体に通知する。交通の便が良い地方都市の駅前などでホテルの建て替えや新設を促し、訪日客の誘致につなげることも期待している。

 古民家や廃校の宿泊施設への改修を、まちづくりファンドが出資して支援する仕組みも検討する。地方都市の空きビルをゲストハウスに改修する事業などに対する支援は既に始まっており、小規模な建物も対象とする方向だ。

 古民家などに滞在し、農山漁村の暮らしを体験できる「農泊」の普及も進める。農林水産省は、20年までに全国の約50地域を拠点に選ぶ。

 ホテルと比べ、客室に余裕がある地方の旅館に泊まってもらう取り組みも強める。観光庁は1施設当たり100万円を上限に、和式トイレの洋式化や、外国語に対応したホームページ作成などの費用の半額を助成する。第1弾として3月に公募し、5月中にも1000施設以上を対象に選ぶ見込み。16年度中に2回目の公募を予定している。