温州の分譲住宅、土地使用権切れが問題に 90年代「期間20年」で設定
提供:中国新聞中国の多くの都市で住宅価格が高騰し、中古住宅の人気が高まる中、浙江省温州市では、中古住宅の売買が成立しながらも、土地使用権の期限が切れているため名義変更の手続きができない事態が発生している。中国中央人民ラジオ局第1放送「中国の声」の報道番組「新聞縦横」が伝えた。
◆国の規定は70年
温州市に住む王さんは今年3月、1990年代に建てられた分譲住宅を購入。銀行の関連口座に60万元(約1027万円)余りを振り込んだ後、不動産の名義変更手続きを行おうとしたところ、元オーナーの土地使用権が今年3月4日で切れていたことが発覚した。現在は、住宅の名義変更は完了しているものの、土地使用権証書に「土地使用権はなし」と記載されているという。
この取引を仲介した不動産仲介会社のエリアマネジャー、張傑氏は「仲介業に6年ほど携わってきたが、こうした状況は初めて。住宅の土地使用期間は70年だと思っていたので、誰も(使用期限に)注意をはらってこなかった」と驚きを隠せない。
他にも同様の事態が発生しており、住宅を買い替えたくても売却できない所有者もいる。
中国では90年代、土地使用権の払い下げ(譲渡)制度が始まり、都市の宅地使用期間は一般に70年とされていた。分譲住宅の土地使用期限が過ぎた際どうすればいいのか論議を呼んだことはあるが、明確な答えは出ないままだった。多くの人が「70年という期間は国が統一して定めたもので、時期が来るまでに解決策ができればいい」と考えていたのだ。
とはいえ、温州では土地使用期間20年の住宅が実在する。問題の発端は、同市が90年代初頭に割当式国有土地使用権(行政が無償で割り当てた、取引ができない国有土地使用権)を取引できるようにするため、払い下げ式国有土地使用権に変更するよう推進したことにある。住宅用地の使用期間は最長70年という前提の下、20年から70年の間で複数段階を設けて払い受け側が選択できる仕組みとしたのだ。王さんたちの住宅もこのとき割当式使用権から払い下げ使用権に変更され、その後、市場に出回ったものだ。
温州市国土資源局鹿城分局の徐長波局長は「当時は、市民の支持を得て作業を順調に進めるため、柔軟性のある使用期間を設定した。使用期間20年を選べば、譲渡金はそれ相応に低い金額となるからだ」と説明する。
こうした土地の使用権が昨年から期限切れになり始めた。同市国土資源局の調査によると、使用権が20年しかない土地に建てられた住宅は、市内の市街地エリアに1700戸余り存在し、2019年末までに相次いで使用期限を迎える。期限切れ後は改めて土地使用権を取得しなければならず、その費用は、通常の払い下げ時と同様であれば数十万元に上る可能性がある。
◆法整備容易でない
法律の規定では、期限切れ後は当局に申請し、譲渡金を納めて更新することとなっているが、更新方法や納入方法、金額の算出方法などの詳細は何もわからないのが現状だ。
また「物権法」の規定では、「使用権の期間が満期となった住宅建設用地は自動更新される」となっているが、やはりその実施細則はどこにもない。温州市国土資源局が関連政策の検討に入ったばかりだが、国としての法整備も求められている。
ただ、負担を住宅所有者に求めるのは不公平だとの声もあり、法整備は容易ではない。インターネット上でも「温州分譲住宅土地使用権期限切れ事件」として注目を集めるこの問題は、今後、全国で起こることだ。温州市当局は「誰もが恩恵を受ける政策」を検討中だとしており、全国に先駆けた“温州モデル”を打ち出すことが期待されている。(中国広播網=中国新聞社)
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