熊本地震補正予算案、審議入り 財務相「被害拡大に伴い多めに計上」

 
2016年度補正予算案の審議入りをした13日の衆院本会議の開会前に安倍首相(右)と話す麻生財務相

 政府は13日の閣議で、熊本地震の復旧・復興に向けた事業を盛り込んだ総額7780億円の2016年度補正予算案を決定し、国会に提出した。道路や橋といったインフラの復旧やがれき処理などに使用できる「熊本地震復旧等予備費」を創設し、7000億円を充てた。国会審議を経て17日に成立する見通しだ。

 閣議後に会見した麻生太郎財務相は「余震が続いて(被害が)拡大する傾向があるので、多めに計上した」と述べた。

 新設した予備費はインフラ復旧のほか、被災した事業者の再建支援などにも使える。これまでの政府の試算では、道路など公共土木施設と農林水産業の被害額は4000億円強。被害額を上回る予算を確保する。

 このほかの歳出では、仮設住宅の建設などに使う「災害救助費等負担金」に573億円、住宅の被害状況に応じて最大300万円を支給する「被災者生活再建支援金」に201億円をそれぞれ計上した。

 財源には、日銀のマイナス金利政策による金利低下で国債の利払い費が減った分を充当。国債の追加発行は行わない。

 政府は追加の予算が必要になれば、16年度当初予算に計上した3500億円の予備費も活用する考え。補正予算と合わせて1兆円超を確保し、被災地支援を本格化させる。