アベノミクスは新たなステージに

2016参院選 経済政策を問う!
経済財政諮問会議で国内総生産(GDP)600兆円の目標達成に向け、関係閣僚に指示する安倍晋三首相(左から2人目)=4月4日、首相官邸

 □自民党・塩谷立政調会長代行

 私たち自民党が2012年に再び政権に復帰してから、3年以上が経過した。この間、アベノミクス三本の矢(「大胆な金融政策」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」)を矢継ぎ早に放ち、経済を最優先にして、全力を尽くしてきた。

 この結果、11年度は42.8兆円であった税収が、16年度には57.6兆円の見込みで、14.8兆円(国・地方で21兆円)の増収となった。実質国内総生産(GDP)は第2次安倍内閣発足当時と比べて12兆円増え、企業収益も過去最高となった。

 雇用の面でもアベノミクスの成果が出ている。春闘の賃上げ率は政権交代後2年連続で2%を上回り、これは1999年以来の水準だ。今年は、中小企業が大企業を上回る、非正規が正規を上回るといった例も多く、格差は確かに縮小傾向にある。

 最低賃金は3年間で約50円引き上げられ、今後、労働生産性の向上や取引条件の改善などで時給1000円をめざす。完全失業率は昨年10月に3.1%にまで改善、約20年ぶりの水準となり、今年3月の有効求人倍率は1.30倍と約24年ぶりの高水準になった。

 このように、多くの経済指標が改善され、わが国経済はデフレ脱却まであと一息のところまできている。もちろん、地方の中小・小規模事業者は、いまだアベノミクスの恩恵を十分に実感できておらず、地方の隅々にまで暖かい風を届けるべく、現在、ローカルアベノミクスに取り組んでいる。

 他方、世界の景気は、全体としては緩やかに回復しているものの弱さも見られる。中国経済の先行きの不透明感から、内外の金融市場が不安定な動きを示しており、欧州においては難民の流入が続き、政治・経済に与える影響が懸念される。

 こうした海外経済の不安定さが影響する中、日本経済も実質賃金の伸びが緩やかなものにとどまり、個人消費や設備といった民需に力強さを欠いている。なかでも個人消費は地域間でばらつきも見られ、地方によっては経済環境に厳しさがあるのも事実だ。私たちはこの現状を直視し、少子高齢化という根本問題を考慮しつつ、的確に対処しなければならない。

 安倍晋三総裁(首相)は昨年9月、こうした課題に対処するために、アベノミクスは新しいステージに入ったことを認識し、新三本の矢による「一億総活躍社会」への挑戦を宣言した。私たちは「経済で、結果を出す。」をスローガンに掲げ、政策を総動員し全力で取り組んでいる。

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 脱デフレが遅れる日本経済。年明け以降の円高・株安などで消費者心理も冷え込んだままだ。世界経済の不透明さが増すなか、経済政策は今夏の参院選の主要な争点になるとみられる。各党の施策・提言を各2回連載する。

 25日は公明党を掲載します。自民党の2回目は6月7日掲載予定です。

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 ■主な経済指標

 実質GDP  12兆円増加※

 税収     14.8兆円増加※

 企業収益   過去最高

 完全失業率  3.1% 20年ぶり

 有効求人倍率 1.30倍 24年ぶり

 就業者数   110万人以上増加

 ※は第2次安倍内閣発足時との比較

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【プロフィル】塩谷立

 しおのや・りゅう 党政調会長代行。文部科学相、官房副長官、総務政務次官、党総務会長、文部科学部会長などを歴任。米アンバサダーカレッジ卒業、慶応義塾大学法学部政治学科卒業。1990年2月の衆院選で初当選。当選8回。66歳。静岡県生まれ。