共産党・宮本徹政策委員会副責任者
2016参院選 経済政策を問う!■破綻したアベノミクスから転換のとき
アベノミクスは4年目に突入した。「経済の好循環」と唱え続けてきたが、トリクルダウン政策、消費税増税、異次元の金融緩和、どれも破綻が明らかになってきている。「アベノミクスの暖かな風」は多くの国民にとどかないまま、「アベノミクス不況」に陥りつつあるのではないだろうか。
「世界一企業が活躍しやすい国」のスローガンのもと、法人税率の引き下げなどが行われた。黒字の大企業を中心に4兆円の減税が行われたが、政権が求めた賃上げや投資にはわずかしか回らず、巨額の内部留保がさらに積み増される結果となった。物価高に、賃金の上昇は追いつかず、「実質賃金」は4年連続のマイナスとなった。
2014年の消費税増税は、個人消費落ち込みの引き金をひいた。原稿執筆時に最新データだった15年10~12月期の国内総生産(GDP)はマイナスとなった。なかでも個人消費は、消費税率を8%に引き上げた増税直後よりも落ち込んだ。直近の3月の家計調査で消費支出は前年同月比5.3%ものマイナスとなった。個人消費が冷え込む中、大企業の景況感も大幅に悪化してきている。
日銀は「マイナス金利」という奇策に打って出たが、需要がないもとで銀行の貸し出しは増えず、日銀が期待した効果よりも、マイナス効果が顕著だ。4月の金融政策決定会合で追加緩和は見送られたが、金融政策の手詰まりは誰の目にも明らかになっている。
アベノミクスがもたらした「円安・株高」で、たしかに富裕層や大企業は巨額の利益を手にした。米国のフォーブス誌によると、日本の富裕層上位40人の資産総額は、この4年間で、7.2兆円から15.4兆円へと2倍以上に増大した。一方で、金融資産ゼロ世帯は470万世帯も増え、全世帯の3分の1を超えた。中間層が疲弊して、貧困が広がっている。
GDPの6割は個人消費だ。家計という経済の最大のエンジンを温めてこそ、「経済の好循環」は生み出される。消費税増税は中止し、個人のふところを直接温め、普通の人から豊かになる政策への転換が必要だ。
いまや非正規雇用が4割だ。均等待遇の法制化と合わせ、最低賃金の抜本的引き上げは賃金の底上げに不可欠だ。私たちはただちに全国最低1000円に引き上げ、1500円をめざすことを提案している。フランスや米国は最低賃金引き上げのための中小企業の社会保険料軽減や減税を大規模に行った。日本でも黒字大企業を潤す法人税減税ではなく、最低賃金引き上げのための中小企業支援に回すことがくらしと経済の再建になるはずだ。
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28日はおおさか維新の会を掲載します。共産党の2回目は6月10日掲載予定です。
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【プロフィル】宮本徹
みやもと・とおる 党政策委員会副責任者、衆院財務金融委員会委員。草の根の市民活動、政治活動をへて、2014年12月の衆院選で比例代表東京ブロックから初当選。東大教育学部卒業。44歳。兵庫県生まれ。
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