アップル、インド市場開拓で復活狙う 現地生産も検討

 
インドのモディ首相(右)と会談するアップルのティム・クック最高経営責任者=21日、ニューデリー(インド政府提供、共同)

 米アップルが巨大市場インドの開拓に本腰を入れている。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の世界販売台数が減少に転じて勢いが鈍っているだけに、インド事業の拡大で復活の足掛かりにしたい考えだ。

 調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチによると、インドの2015年のスマホ出荷台数は1億台を突破した。利用者数は米国を抜いて世界2位となったが、アップルのシェアはわずか2%程度。3割近い韓国サムスン電子や10%台の中国や地場メーカーに後れを取っている。

 不振の原因は価格だ。インドではおおむね5000~1万5000ルピー(約8500~2万4500円)のスマホが主流なのに対し、アップルの小型最新機「SE」は約4万ルピーから。大卒初任給の2倍ほどで「関税が高く、中間層には手が出にくい」(量販店関係者)という。

 このため、アップルは現地生産を検討。幅広い顧客層の取り込みに向けて、自ら中古再生品の販売を手掛ける認可の取得についてインド政府と交渉を進める。製品の現地調達率3割が義務付けられる直営店の進出も特例で認めるよう促すなど、政府への働き掛けを強めている。

 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は今月中旬にインドを訪問し「アプリ開発で最も活気に満ち、起業家精神のある国だ」とインドを持ち上げてみせた。来年初め、南部バンガロールにソフトウエア開発拠点を設立するとも表明。ヒンズー教寺院を訪れてインドを重視する姿勢を強調したが、カウンターポイントのアナリストは「メーカーが入り乱れる特殊な市場で勝つには、一段の工夫が必要だ」と指摘している。(ニューデリー 共同)