韓国はテーマパークの墓場か USJを復活させた日本に学びたい?
今年はじめ、韓国メディアに「韓国はテーマパークの墓場か…」という見出しが躍った。過去20年来、米ハリウッド映画を題材にしたテーマパークの建設計画がことごとく頓挫してきたことを皮肉ったものだ。一方で、大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」は絶好調である。USJの“復活劇”を受けて、韓国紙、朝鮮日報(電子版)には「『テーマパーク衰退論』を覆した日本」とのコラムが掲載された。中国人観光客の急増を背景に「中国特需」を引き寄せた日本に「学べ」という指針とも読み取れる。
「テーマパークの墓場か」
韓国紙、中央日報(電子版)は1月、釜山鎮海経済自由区域内にテーマパーク事業を推進している慶尚南道が2014年に米ハリウッド映画会社のフォックス社と了解覚書を締結したがその後の進展がないと報じた。
韓国では20年以上も前から、パラマウントやMGMなどハリウッド映画会社のテーマパークの建設計画が発表されてきたが、実現したものは1カ所もないという。いずれも08年のリーマン・ショックに伴う資金難と国内事業者との摩擦で困難に陥ったと指摘し、同紙は韓国を「テーマパークの墓場か」と皮肉っている。
「ユニバーサル・スタジオ」計画もその1つで、07年に京畿道安山市にある始華湖埋め立て地近くの土地に建設すると発表したが、リーマン・ショックで資金調達に失敗し、事業が頓挫。朝鮮日報によれば、10年にロッテグループなど事業再開を宣言したものの、土地を所有する韓国水資源公社と土地代をめぐって駆け引きを繰り広げ、結局事業を白紙化したという。
日本、『テーマパーク衰退論』を覆す
韓国でも、大阪市のUSJへの関心は高いようだ。朝鮮日報は、04年に経営危機に陥ったUSJが黒字転換に成功し、なお攻撃的な投資に乗り出していると、指摘する。14年に400億円を投じてオープンさせた人気映画「ハリー・ポッター」をテーマにしたエリアはほんの一例に過ぎない。現在、任天堂と連携した新エリアの計画も進めている。
同紙は今月、そんなUSJの復活劇や長崎のハウステンボスの赤字脱却などに焦点を当てたコラム「『テーマパーク衰退論』を覆した日本」を掲載した。
日本では1980~90年代のバブル期に全国各地で大型テーマパークが誕生したが、その後次々と倒産。このコラムを書いた記者も当時、「『少子高齢化』の時代には、テーマパークには衰退の道しかない」と記事に書いていたという。
コラムでは、日本のテーマパークの復活について、ターゲットを若者だけでなく中高年にまで広げたことが奏功したとしたうえで、根本的な背景には中国人を中心とした外国人観光客の急増があると指摘している。
たしかに訪日客数は激増している。2000年度には500万人にも満たなかったが、15年度には2千万人と4倍以上にふくれあがった。日本政府は20年には訪日客4千万人を目標に掲げており、各テーマパークもその呼び込みのための投資に躍起になるわけだ。
そういう意味では日本は今のところ、『テーマパーク衰退論』を覆しているのである。
韓国人の日本のテーマパークがお好き
ただ、韓国も日本と同じような状況にある。朝鮮日報も、格安航空会社(LCC)の普及に加え、新興国経済の成長に伴う世界規模での海外観光客の爆発的増加という意味では環境に大差はないと指摘する。特に中国人観光客の増加は、慢性的な内需不足に悩む韓国、日本にとっては経済的なプラス要因となっているはずだ。
それゆえに、日韓両国による中国人観光客の奪い合いが激しくなっている。日本では2020年に東京五輪を控え、中国人のみならず世界中から観光客がやってくることが見込まれる。
朝鮮日報のコラムは「韓国がこの十数年間でテーマパークをほとんど建設できずにいる一方で、日本のテーマパークは中国人だけでなく韓国人観光客も引き付けている」と締めくくっている。
「韓国は日本に学べ」という指針なのだろうが、むしろ痛烈な皮肉に聞こえてしまう。
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