中国アニメ、全年齢化路線へシフト加速 興行収入を後押し

提供:中国新聞
深セン国際文化産業博覧交易会(深セン)文博会)の会場で写真を撮るアニメファン=12日、広東省深セン)市(中国新聞社)

 2015年に公開された「西游記之大聖帰来(西遊記 ヒーロー・イズ・バック)」は中国アニメの映画興行収入にとって“強心剤”の役割を果たした。今月中旬に開催された深セン国際文化産業博覧交易会(深セン文博会)でも、中国アニメはコンテンツと技術の双方で革新が起きており、関係者は一様に業界の先行きを楽観視している様子が分かった。

 中国のオリジナルコンテンツはこれまで、対象年齢が低年齢化傾向にあり、技術水準も高くなく、市場が海外作品に占拠されていたことから、しばしば人々の“愚痴”の対象となってきた。だが現在、この状況が変わり始めているのだ。

 中国アニメ産業の発展を目指し、中国文化省は各関連部門と手を組み、オリジナルアニメのプロモーション計画を実施。海外に向けて優秀作品をPRし、中国アニメの海外進出に取り組んだ結果、ここ約10年でアニメ作品数は急増し、人材も豊富になった。

 今年初めに上映された「小門神(Little Door Gods)」はハリウッドレベルの特殊効果技術で大人からの支持も獲得。「蔵羚王(The King of Tibetan Antelope)」は第44回ヒューストン国際映画祭でアニメ部門の金賞を受賞し、第67回カンヌ国際映画祭では関連のアニメ上映作品にも選ばれている。

 専門機関が発表した「中国アニメ映画発展報告(2015)」によると、15年に中国都市部の主要映画館で上映された国産アニメ作品数は43本で興行収入は総額20億5400万元(約343億8400万円)超。さらに今年第1四半期(1~3月期)の“中国アニメ指数”の年齢分布をみると、25~30歳の割合が最も多く、全体の4割超に上ることが分かった。

 興行収入の増加は対象年齢を限定しない“全年齢化”戦略の成果とみることができる。アニメ会社、奥飛娯楽(アルファ・グループ)は昨年8月、国内最大のオリジナルアニメサイト「有妖気」を運営する会社を9億400万元で買収することを発表、“全年齢化”路線へのシフトを加速させている。

 このほか同産業ではAR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術を用いたモデルチェンジが新たなトレンドとなりつつある。(中国新聞社)