バーコード読むと…スマホで商品情報を翻訳表示 経産省が訪日客向けシステム構築
経済産業省が流通業者やメーカーと協力し、スマートフォンなどのカメラでバーコードを読み取ると、商品情報を外国語で表示するサービスの実用化を検討していることが30日、分かった。原産地や原材料などの情報を多言語表示できるシステムの構築を目指し、7月にもガイドラインを策定する。訪日外国人の増加に向けて利便性を高め、小売業の売り上げ拡大にもつなげる狙いだ。
ガイドラインでは、バーコードで読み取れる情報の量や種類、印刷方法などの基本フォーマットを取りまとめる。スマートフォンなどのカメラでバーコードを読み取るアプリを活用することで、商品パッケージに印字されている日本語の商品情報を英語や中国語などに翻訳して表示するシステムを想定。早ければ来年度にも本格的な実用化を目指す。
日本産の原材料は可能な限り都道府県まで明記できるようにし、外国人消費者が気にするきめ細かな情報を盛り込めるようにする方針だ。海外の卸業者が日本産の商品を現地で販売する際、商品情報が現地の言葉に対応したラベルに張り替えやすいよう工夫し、海外での日本産商品の魅力向上も図る。訪日外国人にとっては、日本で購入した食品などに、アレルギー症状をおこす原材料が含まれているかどうか判断しづらく、中国産を日本産だと間違えて購入するケースもある。ガイドラインはこうした課題の解決に役立てる。
経産省は4月、小売業の店内の多言語表示に関するガイドラインを作成。売り場表示や価格表示、緊急脱出経路などを多言語化する際、ピクトグラム(絵文字)の活用や、訪日客で多くを占める中国人に対応するため日本語表記ではカタカナを避け、可能な限り漢字を用いる-など具体的な対応をまとめた。
政府は2020年東京五輪・パラリンピックに向けて首都圏の小売店の多言語対応を強化する方針で、観光立国実現に向けた基盤整備を急ぐ。
関連記事