サミット終了 市場は100円想定 日米、介入で「さや当て」再燃
外国為替市場で円相場が急伸していることで、為替介入をめぐって、日米当局のさや当てが再燃する可能性が出てきた。菅義偉官房長官は6日の記者会見で円売り介入も辞さない姿勢を表明した。ただ米国は介入に否定的な立場を崩しておらず、ドル安円高が進めば、日米の対立はさらに激化する恐れがある。
「為替の急激な変動は望ましくない。為替市場の動向を緊張感を持って注視し、必要なときにはしっかりと対応していきたい」
菅官房長官は記者会見でこう強調し、投資家による円買いの動きを牽制(けんせい)した。浅川雅嗣財務官も同日、「為替市場の動向を注視している」と述べた。
円相場は5月上旬、日銀の追加金融緩和見送りをきっかけに、一時105円台まで円高ドル安が進んだ。日本にとって円高は輸出企業の収益減などに直結し、景気下押し圧力になる。
麻生太郎財務相は同月21日の日米財務相会談で「最近は一方的に偏った投機的な動きがみられた」と為替安定を強調。ただ、ルー米財務長官はその後の会見で「秩序的」と述べ、見解の相違が鮮明になった。
同月26日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で会見したオバマ米大統領は「保護主義や競争的な通貨切り下げ、近隣窮乏化政策を避けることが重要」と述べた。米国としてもドル高は輸出企業にマイナス。大統領選を控え、対外的に強い姿勢で臨まざるを得ない事情もある。
サミット議長国の日本は各国に協調を呼びかける立場だったため、市場では「サミットが終わるまで介入は難しい」とみられていた。そのサミットは終了。今月23日には英国で欧州連合(EU)離脱の賛否を問う国民投票があり、結果次第では世界経済の先行き懸念から円が急進する可能性も指摘される。市場では1ドル=100円前後まで円高が加速すれば、介入に踏み切るとの見方が強い。
■為替をめぐる主な発言
・オバマ米大統領
「全ての国・地域に悪影響を与える保護主義や競争的な通貨の切り下げ、近隣窮乏化政策を避けることが重要だ」(5月26日、伊勢志摩サミットでの会見)
・ルー米財務長官
「為替が秩序的でないと簡単に言うべきではない」(5月21日、G7財務相・中央銀行総裁会議閉幕後会見)
・麻生太郎財務相
「最近は一方的に偏った投機的な動きがみられた」(5月21日、日米財務相会談)
・黒田東彦日銀総裁
「物価上昇目標を達成するためにマイナスの影響が出るようであれば、躊躇なく追加的な金融緩和の措置をとる用意がある」(5月19日、G7財務相・中銀総裁会議開幕前会見)
関連記事