FRB議長、追加利上げで一転して慎重姿勢 「経済見通しに新たな疑問」
イエレンFRB議長(AP)
【ワシントン=小雲規生】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は6日、米ペンシルベニア州での講演で、3日に発表された5月の雇用統計で改善ペースが急減速したことに、「経済の見通しに新たな疑問が生じた」と述べた。イエレン氏は5月27日に追加利上げについて、「数カ月以内に適切になるだろう」と述べていたが、一転して慎重な姿勢を示した。
市場では今月14、15日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げは「ほぼなくなった」との見方が強まった。7月のFOMCについても利上げ観測が後退している。
イエレン氏は、5月の雇用統計で景気動向を敏感に移す非農業部門の就業者数が5年8カ月ぶりの低水準となる前月比3万8千人増に留まったことについて、「失望した」と言及。これが経済全体の継続的な減速を意味するかどうかという問題に、FRB議長として「苦心して取り組んでいく」と述べた。
一方、イエレン氏は「単月の経済指標に過度に固執すべきではない」とも述べ、過剰反応することへの警戒感を示し、雇用や物価の改善が続けば、段階的な利上げを目指すことが適切だとの考えは維持した。
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