4月経常収支、22カ月連続の黒字 1兆8785億円 訪日外国人消費も寄与
財務省が8日発表した4月の国際収支速報によると、海外との経済取引で日本がどれだけ稼いだかを示す経常収支は1兆8785億円の黒字だった。黒字は22カ月連続で、黒字幅は前年同月比41.7%の増加。原油安で貿易収支が黒字になったことに加え、訪日外国人が増えて消費も伸び、旅行収支の黒字が比較可能な1996年以降、単月で過去最大になった。
経常収支の黒字額は、4月としては2007年以来9年ぶりの高水準。このうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の黒字は6971億円に達し、前年同月の1320億円の赤字から大幅に改善した。鉄鋼などの輸出が低迷したものの、原油の輸入額がほぼ半減した効果が上回った。ただ、原油価格には上昇傾向もみられ、財務省は「今後もこのままの勢いで貿易黒字が積み上がるわけではない」とみている。
旅行者のお金の出入りを示す旅行収支の黒字は16.1%増の1559億円だった。花見などの人気で4月の訪日外国人旅行者数が推計約208万人と単月で過去最高を記録し、日本でお金が使われたことが貢献した。
一方、海外投資から得られる収益を表す第1次所得収支の黒字は18.9%減の1兆7805億円にとどまった。円高で外貨建ての配当、利子が円換算で縮小した。
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