民進党・岡田克也代表
2016参院選 経済政策を問う!■「人への投資」中心に富の再分配を
民進党は持続的な経済成長の実現に向けて「成長と分配の両立」が重要だと考えており、前回の「成長」に続き、今回は「分配」について説明する。
バブル崩壊以降、政府の再分配機能が低下したことから、中間層がやせ細り、十分な需要を生み出せていない。政府の再分配機能を強化し、分厚い中間層を再生することが必要である。何より、富の集中や格差拡大を防ぎ、国民一人一人の幸せな生活を実現することが政治の目的であり、その意味で再分配は政治の最大の責務の一つであると考えている。
民進党は「人への投資」を中心とする再分配を行うべきと考えている。例えば、通常国会では保育士の賃金を引き上げる法案を提出した。待機児童問題に象徴されるように、保育サービスに対する需要は非常に大きいが、保育士の待遇がネックとなり、対応できていない。
そこで待遇改善という「人への投資」を行うことで、仕事と家庭の両立による働き手の確保、良質な保育サービスを通じた将来の人材育成、そして保育士の雇用増・賃金アップによる消費の拡大といった効果が見込まれる。
同様に国会に提出した介護士の待遇改善の法案が実現すれば、全国各地の需要に対する雇用が生まれ、同時に年10万人といわれる介護離職を防ぐ効果も期待できる。
また、経済的な理由で大学進学を断念する高校生がいることを踏まえ、返済不要の奨学金制度の創設や大学授業料の減免制度の拡充を進めていく。その他、中小企業への適切な支援を前提とする最低賃金の引き上げ、「同一価値労働同一賃金」の実現などに優先的に取り組んでいく。
これらの政策を実現する財源は税制改革で確保する。本来、税制は政府の財源確保とともに再分配を大きな目的としている。しかし、所得課税(所得税と住民税の合計)の最高税率をバブル前(1986年)の88%から現在は55%まで下げるなど税率のフラット化を過度に進めたことが、政府の再分配機能を低下させた。
まずは株式などにかかる金融所得課税の引き上げに取り組み、その後数年間掛けて所得税・相続税の累進性強化を行う。これにより「人への投資」の財源を確保していく。厳しい提案であることは承知しているが、わが国に必要な改革だと確信している。
人口増大・一億総中流から人口減少・格差拡大へと社会が大きく変化した。当然、経済政策も変えなければならない。変化は常に痛みを伴うが、これも含めて正直に国民に説明し、理解を求めていく。それが持続的な経済成長と国民一人一人の幸せな生活に繋(つな)がると考えている。
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10日は共産党を掲載します。
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【プロフィル】岡田克也
おかだ・かつや 民進党代表。外相、副総理、民主党代表、幹事長、政調会長などを歴任。東大法学部を卒業後、旧通産省入省。1990年2月の衆院選で自民党から初当選。新生党、新進党などを経て98年の民主党結党に参加。当選9回。62歳。三重県生まれ。
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