(上)3党合意まだ崩れていない

消費増税再延期

 ■宮沢洋一自民税調会長に聞く

 安倍晋三政権が消費税増税の再延期を決め、2012年に自民、公明、民主(現民進)3党が合意した「社会保障と税の一体改革」が岐路に立っている。これから本番を迎える高齢化社会を乗り切るため、消費税による安定した財源を使って社会保障を充実させていくのが一体改革の理念だが、2度にわたる増税延期でその枠組みは変わり、どう再構築していくかが問われている。今後の一体改革の道筋や低所得者対策などについて、与野党の税制調査会会長ら政策キーマンに聞いた。1回目は自民党税制調査会の宮沢洋一会長。

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 --一体改革に関する3党合意の現状への認識は

 「民進党は消費税増税延期自体に反対ではないし、3党合意はまだ崩れていないと思っている。一体改革は社会保障の充実とともに効率化・重点化も強調されており、充実策を赤字国債でやるのは、3党合意の精神を逸脱することになる。しっかりとした財源の裏付けが必要で、充実策の何が実現できるかは参院選後に協議していく」

 --財源をどう捻出するのか

 「税収の上振れや底上げが議論されているが、今の財政健全化計画では名目成長率3%を達成することを前提に、かなり大きな税収を見積もっている。今後もこの勢いで税収が伸びていくという風に考えない方が安全だ。軽減税率の財源もきちんと確保しておかなければならないし、そう簡単にはいかないだろう」

 --消費税以外の税制で財源を手当てする可能性は

 「所得税や相続税の話がちらついているのは知っているが、最高税率を上げたばかりだし、所得や資産が高い人の税率を上げても税収は大して増えない。税収をあてにするなら中間層に増税しないといけないが、今の環境では正直言ってなかなか難しい」

 --消費税増税が前提の税制改正はどうなる

 「反動減対策も含め、実施時期を先送りするのが基本的な考え方だ」

 --消費税増税延期決定のプロセスで党税制調査会は蚊帳の外だった

 「(元税調会長の)山中(貞則)先生が元気だったころとは状況が違っていることは確かだ。税は政治そのものだが、党税調の役割は政策としての政治であり、昨年末の軽減税率議論も含め、このところは政局のにおいがする場面が続いていると考えた方がいい。ただ財源の話となるとこれは政策の話で、しっかりやっていかなければならない」