大規模災害時の住宅再建支援、12県が拡充希望 「見舞金」国は及び腰
大規模災害で住まいを失った世帯に最大300万円を支給する被災者生活再建支援制度をめぐり、47都道府県のうち12県が支援金の上限引き上げを求める一方で、膨大な家屋被害が予想される南海トラフ巨大地震などでの負担増を懸念して、増額に慎重な意見もあることが26日、熊本地震を受けた共同通信社のアンケートで分かった。調査は都道府県の防災担当者を対象とした。
支援金の財源は原則として、都道府県と国が折半で負担する。国は「あくまで見舞金としての性格が強い」(内閣府)として増額には消極的だ。
引き上げが必要とした12県は岩手、宮城、熊本など。大規模な震災で被害を受けた地域が目立った。主な理由は「より早期の生活・住宅再建には相当の経費が必要」(宮城)、「生活再建ができなければ地域の人口流出につながりかねない」(沖縄)など。現在は原則として対象外となる半壊や、一部損壊も含めるべきだとの意見も強かった。上限を300万円とした2004年の法改正後、住宅建設費が上昇したとして「20%程度引き上げた方がいい」(茨城)との声もあった。
引き上げの必要はないとしたのは滋賀、鳥取、山口の3県。「仮設住宅の建設費などと均衡した妥当な金額」(鳥取)などの理由だった。
ほかの32都道府県にも「南海トラフ地震のような超大規模災害でも持続可能な制度が必要」(静岡)、「厳しい財政状況にある都道府県の負担増などの問題がある」(三重)など引き上げに慎重な姿勢がうかがえた。
現行制度は、一定数の住宅に被害があった自治体の世帯しか適用されない。そのため同じ台風による一連の災害で、一部の世帯が対象外となるケースがあるとして、適用要件の緩和や柔軟な運用を求める声もあった。
被災者生活再建支援金は、大規模な自然災害で住まいを失った世帯に、全壊で300万円、大がかりな修理が必要な大規模半壊で250万円を上限として支給する。1995年の阪神大震災をきっかけに創設された。当初の上限額は100万円だった。都道府県が拠出した基金から支給し、国が支給額の5割を基金への補助金として負担する。東日本大震災では19万3000世帯に3200億円余りを支給し、特例として国が8割を負担した。
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