カンボジア、タイ・プラスワン候補地に「ギャンブル・タウン」
■20年までに10社以上誘致
タイ国境に位置するカンボジア西部ポイペトは、同国きっての「ギャンブル・タウン」だ。10を超えるカジノを抱えるこの町が近年、東南アジアの生産拠点をタイから周辺国に分散する「タイ・プラスワン」の主要候補地として注目を浴びている。
ポイペトの国境検問所前の大通り。1990年代後半からタイ人観光客を当て込んだカジノ建設が始まり、通りの両側には巨大カジノと併設の高層ホテルが軒を連ねる。自国で禁止されているカジノでのギャンブルを楽しもうと、1日推定約2000人のタイ人が訪れる。
豊田通商は昨年、国境付近から7キロの「SANCOポイペト経済特区」の一角を工業団地として整備し、企業に提供するテクノパーク事業を始めた。狙いはタイに拠点を持つ製造業各社。約6万平方メートルの敷地に、2020年までに10社以上を誘致する計画だ。
カンボジアの人件費の安さや豊富な労働力をアピールし、人件費が高騰してきたタイから一部の工場をポイペトに移すことを提案する。
隣国ラオスも人件費は安いが、ラオスの経済特区がタイの首都バンコクから陸路で10時間余りかかるのに対し、ポイペトはわずか4時間というアクセスの良さも強み。今年3月時点で自動車関連企業など2社の入居が決まった。
ベトナムの商都ホーチミンとバンコクを結ぶ南部経済回廊の拠点でもあるポイペトは「地の利が良く、タイ・プラスワンの中で最も注目されている」(ジェトロ・プノンペンの伊藤隆友シニア投資アドバイザー)。隣接するタイ東部アランヤプラテートとの間に鉄道も今年中に開通する見通しだ。
カンボジア進出による人件費の削減が、新たな拠点設置に伴う輸送コストの増加などをカバーできるかどうかといった課題はあるが、テクノパークの丹崎太郎氏は「ポイペトへの投資を検討している企業は増えている。成功例があれば他の企業もどんどん入ってくる」と期待する。(ポイペト 共同)
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