日米欧の債券市場、長期金利が急低下 20年債もマイナス圏、運用難に拍車も

 

 日米欧の債券市場で長期金利が急低下(価格は急上昇)している。英国の欧州連合(EU)離脱問題への警戒から、投資家が安全資産とされる国債を買い進め、世界的に利回りが大きく低下したためだ。6日には20年物の日本国債利回りまでマイナス圏に沈んだことで、投資家の運用難や金融機関の収益悪化に拍車が掛かる可能性がある。

 同日の東京市場では、10~30年債利回りが軒並み過去最低を更新。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時マイナス0.285%と、過去最低を更新。新発20年物国債も一時マイナス0.005%となり、初めてマイナスとなった。30年債も一時0.015%をつけた。

 12日には財務省が30年物国債の入札を予定しているため、本来であれば需給は緩むはずだが、英EU離脱ショックが大きくなれば、少しでも利回りのつく30年債に投資家が殺到することも予想される。SMBC日興証券は「30年債利回りのマイナス圏突入も時間の問題」と指摘する。

 前日には米長期金利の指標となる10年債利回りが一時1.357%まで低下し、4年ぶりに過去最低を更新した。欧州市場でもスイス50年債利回りが初めてマイナスに落ち込んだほか、ドイツでも10年債利回りのマイナス幅が拡大した。

 先行きへの不安から「世界中の株式が売られ、国債に資金が集中している」(大手証券)ためだ。

 米国の利上げは遠のき、日欧の中央銀行は追加の金融緩和に動くとの見方も根強い。仮に、日銀が7月末の金融政策決定会合でマイナス金利を深掘りすれば、国債利回りは一段と低下し、投資家の運用先はますます見つかりにくくなる。

 SMBC日興証券・金利ストラテジストの竹山聡一氏は「日銀がマイナス金利の深掘りや国債買い増しとは異なる追加緩和に踏み切れば、当面は金利低下に歯止めが掛かるだろう」と分析した。