プロ公募で観光ニーズ把握
JAPAN style■官民一体「日本版DMO」強化
政府が各地で設立を進める官民一体の観光地経営体「日本版DMO」の強化を打ち出すなか、民間企業が支援ビジネスに乗り出している。日本版DMOは地方自治体や観光協会、地元企業などの“寄せ集め”のため、訪日客のニーズを把握するノウハウが乏しい。そこで、地域観光のブランド力を高めるため、マーケティングのプロを公募したり、収益予測などの情報提供を強化している。
転職サイトを運営するビズリーチ(東京都渋谷区)は21日から、日本版DMO候補法人に登録された静岡観光コンベンション協会の観光マーケティング責任者の公募を始めた。年収は最高1000万円。静岡市や焼津市、島田市など静岡県中部の5市2町の観光資源を活用したマーケティングを独力で行い、観光振興策を企画立案できる人材を募集する。県中部への訪日客は年間5万~10万人(推計)と伸びしろがあり、同協会では「地域経済活性化の手段として(訪日客を呼び込む)観光が注目されている」と期待を込める。
電通とリクルートホールディングスは5月下旬、訪日客向けのマーケティング領域での協業を開始することで合意した。具体的には、日本版DMOの活動で地域経済が活性化できるよう、訪日客が利用しやすい決済環境づくりや、地域の人材の確保・育成などに寄与するプロジェクトに取り組む。
三井住友海上火災保険も、日本版DMOの観光戦略策定に向け、観光資源の現状分析や将来の収益予測などの情報を提供する。日本ユニシスも地域の観光協会などと連携し、デジタルサイネージ(電子掲示板)を使った観光ナビゲーションサービスを多言語で行う。
政府は、3月策定の「明日の日本を支える観光ビジョン」で、2020年までに世界水準のDMOを100件形成することを目標に掲げており、現在88件の候補法人の登録がある。観光庁は地域の「稼ぐ力」を引き出すため、DMOによる観光地経営の強化を打ち出しており、企業側も商機があるとみて積極的に参入している。
関連記事