財政健全化 民需主導の成長実現不可欠 民間議員「働き方改革」に期待
内閣府が26日の経済財政諮問会議で示した中長期財政試算は、消費税増税の延期で2018年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の赤字幅が拡大するなど、財政健全化が依然厳しいことを浮き彫りにした。今後も景気刺激を経済対策などに頼り続ければ政府支出が拡大し、財政はさらに悪化しかねない。働き方改革などを通じて消費や企業活動を活性化し、民需主導の経済成長を実現することが不可欠だ。
「財政健全化目標の堅持のため、600兆円経済の実現に向けた取り組みと歳出改革を加速する」。安倍晋三首相は諮問会議でこう述べた。
試算では20年度のPB赤字も5兆5000億円に達し、19年10月に消費税率を10%に引き上げても黒字化は遠い。政府や市場には、抜本的な構造改革で民間の成長力を高め、税収拡大につなげるべきだとの声が多い。
諮問会議の民間議員には、こうした問題意識がある。26日の会議では、構造改革を通じ、0%台前半にとどまる日本経済の潜在成長率を高めるよう提言した。具体的には、長時間労働是正や年功序列型の賃金カーブ見直しといった「働き方改革」を進め、労働生産性の向上や、少子化で減っている労働力を確保すべきだと提案。企業再編促進といった「産業構造の転換」なども進めるべきだとした。こうした取り組みで潜在成長率が高まれば、20年度のPB赤字を4兆5000億円以上圧縮できるとしている。
とくに働き方改革に関しては、「将来不安の解消が消費低迷の解消、少子化問題の解決にもつながり、一石三鳥にも四鳥にもなる」(大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミスト)など市場の期待が高い。熊谷氏は、サービス業の労働生産性が1割向上するだけで国内総生産(GDP)が7%押し上げられるとみる。
近年、国内景気は政府の経済対策に下支えされているのが実情で、諮問会議の民間議員によると、年度平均で5兆~6兆円の補正予算が組まれているという。
今後も景気浮揚を経済対策に頼る構図が続けば、税収が思い通り伸びない場合、赤字国債の発行に追い込まれ、日本の財政への信任はさらに揺らぎかねない。「公需」頼みからの脱却が急がれる。
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