エコカー増額、政府構想と合致 政投銀16年度計画調査
政投銀が公表した2016年度の国内設備投資計画は前年度実績比10%増を超える高水準だ。だが15年度は計画ベースで13.9%増だったのが、最終的な実績は4.8%増と計画に比べ大幅に縮小。16年度も実績では伸び率が縮小する見通しだが、プラスは維持できるとみられる。政投銀は「製造業の前向きな投資計画が続いている」と期待する。
政府は名目国内総生産(GDP)600兆円の実現に向けた成長戦略で「世界最先端の環境立国」「環境エネルギー制約の克服と投資拡大」などを新たな有望成長市場と位置付けている。今回の設備投資計画では、自動車や化学がエコカー開発への投資を増やしており、政府の構想と企業活動が合致してきたといえる。
非製造業の分野では、運輸業がリニア中央新幹線や安全対策などに重点投資する計画。政投銀の竹ケ原啓介産業調査部長は「投資基調は明るい」と分析している。
16年度の研究開発費も全産業で4%増となっているほか、金額水準でみると増加するとの回答が3割程度に上っており、底堅い伸びが続きそうだ。
ただ、引き続き投資額を現金収支(キャッシュフロー)の範囲内にとどめている企業が多く、金融機関から借り入れて設備投資をするには至っていない。景気の先行き不安に加え、日銀のマイナス金利政策が強化されるとの見方も根強い。「金利がもっと下がるとの期待から、企業が設備更新などを後回しにするケースもある」(大手銀)との指摘もある。
また、製造業の今年度の想定為替レートは1ドル=113円だが、足元の為替水準が100円前後まで円高が進行しており、輸出産業を中心に企業業績の悪化も懸念されている。
経済の好循環を生み出す設備投資を、企業が計画通りに増やせるようにするためには、景気の先行きに対する不安払拭や為替の安定などが必要といえる。(飯田耕司)
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