中国でも珍しい“わいせつ度”の高い店 性風俗と融合?客の興味は料理にあらず
中国・北京にある「SM」をテーマにした料理店が注目を集めている。約1年前から営業しており地元では若者らの人気店だが、ロイター通信が5月下旬、この料理店を紹介する記事を電子版などで配信したことから、その存在が国外にも知れ渡り、店の是非などが改めて話題になっている。店内にはSMを連想させる装飾を施したり、男性器や女性の胸の形をしたコップを使用するなど、“わいせつ度”の高い料理店だ。
店内各所にSM装飾
この料理店は、北京市朝陽区の飲食店が多数営業する地域にある。北京のシンボル、天安門から北東約3キロという便利な場所だ。
ロイター通信の報道などによると、この料理店の正面入り口外側の壁には大きなロブスターの模型が飾られ、一見したところでは普通の料理店だ。屋号は「●(=壱のヒが一、下に机のつくり)儿」(日本の常用漢字にすると「殻児」)。宣伝用ポスターなどには店名のあとに「首都初のSMがテーマのレストラン」と明記している。
SMがテーマとあって、店内に入ると、料理店には似つかわしくない過激な装飾が並ぶ。
壁には、鎖で両手両足をつながれた女性や後ろ手に縄で全身を縛られた女性らが描かれ、胸を露出しSMプレー用の衣装を身に着けた女性のマネキン人形なども飾られている。また、壁にはSMプレー用の鞭や手錠も展示されている。
料理は、店の正面入り口外壁に飾られた模型の通りロブスターが中心。「ニンニクロブスター」「スパイシーロブスター」「蒸しロブスター」「アイスロブスター」など数々のメニューがあり、そのほかには魚や貝といった海鮮料理などがある。アルコールを含む飲料も提供している。
店は中国のグルメサイトでも紹介されており、写真を見る限りではかなり凝った料理が提供されているようだ。店が上位にランキングされる例はあまり見られないが、ユーザーの意見は「失望した」などのマイナス意見はあるものの「満足した」などと評価する意見が多かった。
ただ、訪れた客の最大の興味は、やはり料理ではないようだ。店内には、性的興味を引くようなものであふれている。
男性器形の栓抜きも
まず挙げられるのは、飲み物のコップだ。裸の女性の胸がデザインされているものや、取っ手部分が男性器の形をしているものなどがある。また、スタッフ用とみられるが、柄の部分が男性器の形になっている栓抜きも目立っている。
スタッフが着用しているエプロンも目を引く。胸部分に女性の立体的な乳房を取り付けるなど女性の裸体をデザインしたものがあるほか、男性の裸体がデザインされたものは、股間部分が顔を埋めた女性の頭で隠されていた。
さらに、客に提供する「お箸セット」のお手ふきはコンドームのような袋に詰められている。
「食とセックスは人間の基本的欲求」
経営するのは27歳女性。店の料理を担当するのが女性の父親で、父親がこうしたエロチックな店内装飾などを考案したという。
オーナーの女性はロイター通信の取材に対し「若者たちが、束縛されているマネキンの女性を見ながら、ロブスターなどの海鮮料理を楽しんでいる。1年前にオープンしたが、経営は順調だ」とコメント。
エロチックな装飾や食器などについては「食事とセックスは人間の基本的欲求だ。このことは5000年以上前から変わっていない。あなたの基本的な本能を解き放つこと、あなた自身を自由にすることは店の基本コンセプトだ」と答え、「セックスを探求したい都会の新しい世代を私が満足させている」などと自信を見せている。
ただ、中国社会は学校に性教育がほとんどないなど、性に関しても閉鎖的で“厳格”なだけに、こうした店は目をつけられがちだ。今年4月、同店が、客が女性の胸を洋服の上から触るパフォーマンスショーを行ったところ、警察当局が間もなく2週間の営業停止処分を科している。
それでも、女性オーナーはSMをテーマにした店の経営に意欲的で、ロイター通信も「彼女は顧客たちにウエートレスを鞭で打つ機会を提供したいと考えている」などと伝えている。
ロイター通信が伝えたのと前後して、中国のネット上では同店についてさまざまな意見が交わされている。「面白い。こんな店が増えてくれたら」「わいせつなもので客を呼ぶなんて不快だ」…。料理店と性風俗店を融合させたような中国でも珍しい店だけに、議論は尽きないようだ。