韓国の習性?成功妬んですぐ投資 今度は「ポケモンGO」に翻弄されて…

 

 韓国政府がスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の爆発的人気にあおられる格好で、ゲーム産業に対する規制緩和を含んだ「ゲーム文化振興計画」を明らかにした。人材養成のマイスター高校なるものも設立するようだ。民間でもポケモンGOに対抗し、韓国アニメ「ポンポンポロロ」のキャラクターと拡張現実(AR)技術を融合させた「ポロロGO」を発売する計画が持ち上がった。他者の成功をねたんで国家を挙げて飛びつくという光景は、今年3月に囲碁の対局で人工知能(AI)「アルファ碁」に棋士が敗れたときにも見た。結局、この国の投資のあり方は“不変”なのだろう。

 李前大統領「なぜあのようなものを作れないのか」

 韓国紙、朝鮮日報(電子版)によれば、韓国政府は7月18日、「ゲーム文化振興計画」を発表した。ゲーム専門の人材を養成するマイスター高校を設立するほか、青少年について午前0時から6時まで無条件でゲームにアクセスできなくしていた強制的シャットダウン制(シンデレラ法)を親の選択制に変える内容を含んでいるという。

 つまり、ゲーム産業に対する規制緩和である。韓国文化体育部の金鍾徳(キム・ジョンドク)長官は「ポケモンGOが出てくる環境を作らなければならない」と強調している。

 こうした政府対応に対して、韓国メディアの意見も割れているようだ。

 朝鮮日報は社説で、予想されたことと前置きし「“後手”に回っている」と指摘する。2008年にニンテンドーDSが大ヒットすると、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は「われわれはなぜあのようなものを作れないのか」と述べた。

 また今年3月、韓国人囲碁棋士のイ・セドル九段が米グーグル傘下企業のAI「アルファ碁」との対局に負けた際には、大統領府がただちに「韓国型アルファ碁」開発に乗り出した。5年間で1兆ウォン(約930億円)の予算を人工知能に投じるという。

 こうした動きの鈍さが後手に回っていると指摘されるゆえんなのだろうか。社説は、シンデレラ法など各種規制によって韓国が握っていたオンラインゲーム産業の覇権が中国に移ったと批判する。2010年に2万658社だった韓国のゲーム業者数は15年には1万4440社と3割も減るなど、ゲーム産業の活力も失われたとしている。

 韓国では、現実世界に映像などの情報を付加するARの技術は、バーチャルリアリティ、人工知能とともに情報通信技術(ICT)の3大核心キーワードと呼ばれ、ゲームこそこれらキーワードを貫通する産業と位置づけられる。それゆえに同紙は、遅れながらも政府が規制緩和の方針を固めたのは幸いだと強調するのだろう。

 他者の成功ばかりを追いかけるのは如何なものか

 一方、同じ韓国紙でも朝鮮日報(電子版)は政府の対応を警戒し、「『韓国型ポケモンGO』に飛びついては駄目だ」と題するコラムを掲載した。

 それによれば、「韓国でこの先起きる状況を予測する書き込みがインターネット上で注目を集めている」という。いずれも今後の流れを予測しており、大統領府(青瓦台)が未来創造科学部や国土交通部(いずれも省に相当)などにポケモンGOを韓国に導入する方策を検討するよう指示。やがて政府が「韓国型ポケモンGO」の開発を目指し数百億ウォン(100億ウォン=約9億円)を投じて拡張現実産業を育成すると発表。そして1年後「規制に縛られた韓国の拡張現実産業、数百億ウォンの予算はどこへ消えたのか」という批判が出る…。

 こうした予想シナリオがあちこちで出るのは、この国では同じような前例があまりにも多いからだ。前出の通り、イ・セドル九段が「アルファ碁」との対局に負けたときもそうだった。

 大統領府はただちに人工知能に巨額の予算を投じると発表した。大企業など民間も出し抜けに、総額2兆5千億ウォン(約2330億円)という投資目標を割り当てられた。

 同紙コラムは、他者の成功を受けて大統領府がすぐに乗り出し「どうして私たちにはできないのか。韓国型○○○◯を作ろう」と目標を掲げ、政府機関はもちろん民間企業や政府系研究所までもが一斉に飛びつく現象を、何度も目の当たりにしてきたと嘆く。

 そして韓国が強い分野に粘り強く取り組んで成果を出すことができず、他者の成功ばかりを素早く追いかける「ファスト・フォロワー」の習性を捨てられずにいると指摘するのである。

 「ポロロGO」って…

 ポケモンGO人気にあおられているのは政府だけではない。韓国紙、東亜日報(電子版)によると、韓国のARサービス会社「ソーシャルネットワーク」は、人気アニメ「ポンポンポロロ」の制作会社「アイコニックス」と提携して、ポロロのキャラクターを活用した「ポロロGO」を近く発売するという。

 ソーシャルネットワークのバク・スワン代表は「ポケモンGOが大人向けの単純な娯楽中心の増強現実ゲームならば、ポロロGOは子供たちも楽しく参加できる教育的要素を、増強現実ゲームに盛り込んだのが差別点といえる」と強調する。

 「ポケモンGO」人気を受け、たしかに世界中でARゲームの開発ブームが起きている。しかし、ポロロGO」という名称では“パクリ”のそしりも受けかねない。韓国ではポケモンGOをめぐる狂想曲がまだまだ鳴り響きそうだ。