GDP算出法見直し議論に熱 14年度0.9%減、実は2.4%増?
国の経済規模を示す国内総生産(GDP)の算出手法を改めるべきだとの議論が熱を帯びてきた。現在の手法に対して疑問の声が上がり、日銀も税務データを活用する独自の手法を公表した。日銀の試算では、0.9%減だった2014年度の実質成長率は実際には2.4%増のプラス成長だという。
安倍政権の経済政策アベノミクスは一時の迫力を失い、日銀が掲げる2%の物価上昇目標の達成も遠のいた。議論に対しては景気実態を少しでも良く見せたい苦肉の策との指摘もある。
GDPをめぐっては、山本幸三地方創生担当相が4日の記者会見で「日本のGDP統計はどこまで本当に信用していいのか分からない」と指摘した。日銀の黒田東彦総裁も7月26日の経済財政諮問会議で「税収が予想よりずっと大きいのに、GDPが予想よりずっと小さいということはどういうことなのか」と述べて改善を促した。
内閣府の算出手法は、国連が定めた基準に基づいて生産や設備投資、個人消費などを積み上げている。多くの国がこの手法を取り入れているが、個人消費の計算に使う「家計調査」の対象が高齢者に偏っているなど実態を十分に反映していないとの指摘がある。
日銀が7月に公式見解ではなく職員の論文として公表した手法は、住民税や法人税などの納付状況から経済規模を試算した。この方が幅広い対象を網羅しており、高い精度が期待できるというのが日銀の主張だ。試算では、14年度の名目GDPは内閣府発表よりも約30兆円多い519兆円だった。
政府内には「2%の物価上昇目標が達成できていない焦りもあって指摘している」(経済官庁幹部)と勘ぐる声も。法人税などの税務データを集めるためには1年程度の時間がかかるため、速報性の面で日銀の手法には課題もある。
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