黒田・日銀総裁 サプライズ演出の方針転換も 総括検証は9月会合で公表
日銀の黒田東彦総裁はフジサンケイビジネスアイの単独インタビューに応じ、9月の金融政策決定会合でまとめる「総括的な検証」について、会合の声明文と同時に検証結果を公表する考えを示した。また、総括検証は、今後の金融政策の「予見可能性に配慮」した意味合いがあるとも説明。“黒田バズーカ”と呼ばれた金融緩和の「サプライズ演出」手法は大きく修正される可能性がある。
総括検証について黒田総裁は「(日銀)執行部の作業結果を聞き、会合で議論する。どのようなものになるかは現時点で申し上げられないが、基本的には声明文とともに検証の結果を公表する」と語った。総括検証の公表時期が明らかになるのは初めてで、市場関係者の9月会合への関心は高まりそうだ。
一方、日銀はこれまで市場に先読みさせずに金融緩和を断行し、投資家を驚かせて緩和効果を最大化するサプライズ演出をしてきた。こうした演出はインパクトは強いが、徐々に市場が日銀の説明に疑いを持つようになるのは避けられない。実際、欧米の中央銀行は金融政策方針を丁寧に説明し、サプライズ演出を極力避けている。
このため黒田総裁は「かつては『予見可能性』や『市場との対話』を重視しないという考え方が各国の中央銀行で強かったが、この数年はむしろ重視する考え方が出てきた」と方針転換を示唆した。
ただ総括検証は、「会合で決まる金融政策の内容を事前にアナウンスするという予見可能性ではない」とも強調した。
導入から半年が経過したマイナス金利政策については「企業の設備投資計画などは非常にしっかりしている」と、金利低下による効果を強調した。金融機関などからマイナス金利の弊害を指摘する声も強いが、「マイナス金利の限界にはまだ到達していない」と、マイナス金利幅の深掘りが可能であることを改めて示した。
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【プロフィル】黒田東彦
くろだ・はるひこ 東大法卒。1967年大蔵省(現財務省)入省。国際金融局長、財務官などを歴任。退官後は一橋大大学院教授、アジア開発銀行総裁などを経て、2013年3月から第31代日銀総裁。任期は18年4月まで。71歳。福岡県出身。
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