首相、日本主導のTICAD出席へ アフリカ外交、独自色を演出
安倍晋三首相は25日、第6回アフリカ開発会議(TICAD)に出席するため、開催地のケニアに向け政府専用機で羽田空港を出発した。同会議はこれまで日本で開かれてきたが、今回初めてアフリカで開催。首相は演説で「質の高いインフラ」の整備推進などの支援策を打ち出し、日本のアフリカ重視姿勢をアピールする考えだ。出発に先立ち、羽田空港で記者団に「質の高い技術と人材育成でアフリカの発展に貢献していきたい。官民挙げてウィンウィン(相互利益)の関係を築いていきたい」と語った。
同会議は27、28両日に開催。最終日にテロ防止への貢献を柱とする首脳間文書「ナイロビ宣言」を採択する。現職首相のケニア訪問は2001年の森喜朗氏以来、約15年ぶり。
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日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれる。アフリカは資源価格の下落で経済の勢いに陰りが見えるものの巨大市場としての潜在力は高く、50カ国以上を抱える国連の大票田でもある。世界各国が関係強化を競う中、日本はTICAD開催により、独自色のアピールを狙っている。
首脳外交の頻度をみれば、アフリカに対する国際社会の関心が分かる。ケニアだけでも昨年はオバマ米大統領、今年には韓国の朴槿恵大統領やトルコのエルドアン大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、インドのモディ首相が訪問した。
オバマ氏は隣国ソマリアのイスラム過激派アルシャバーブ対策での協力を確認。モディ氏はインドがケニアの主要貿易相手だと強調、取引拡大に意欲を示した。
ネタニヤフ氏はアフリカ歴訪中、アフリカ連合(AU)首脳会議にオブザーバー参加できるよう働き掛けた。アパルトヘイト(人種隔離)政策下の南アフリカとパレスチナ情勢を重ね合わせ、イスラエルに反感を持つ国がアフリカには多いとの懸念がある。
中国の存在感も増すばかりだ。中国は昨年12月に南アフリカで開いた「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合で、今後3年間にインフラ整備や農業近代化に600億ドル(約6兆円)を拠出すると発表した。
国連安全保障理事会常任理事国入りを目指す日本政府は、国連外交での発言力強化を狙うと同時にアフリカの市場としての魅力を重視。資源価格低迷により、天然資源に依存するアフリカ諸国が疲弊する中、産業多角化や工業化などの構造改革を支援する姿勢を打ち出す。(ナイロビ 共同)
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