ネットアイドル「網紅」人気 美貌や話術武器 数億円稼ぐスターも
7億人超のインターネット利用者がいる中国で、ネット動画の活用で多くのファンを獲得し、広告料などで生計を立てる「網紅」(ワンホン)と呼ばれるネットアイドルが勃興している。美貌や巧みな話術を武器に一般人から一気にスターにのし上がり、数億円を稼ぐ人も。背景には本音と欲望を包み隠さないワンホンへの共感がある。露出が多い過激な映像で人気を得る例もあり、当局は監視を強めている。
「見て、このスイーツ。おいしそうでしょ。今、日本人記者の取材を受けているところよ」。徐弯弯さん(ハンドルネーム)がスマートフォンを使って生中継専門サイトで中継を始めると、視聴者は約10分間で約1万4000人に。「かわいい」「どこにいるの」。ファンの書き込みが次々と画面に表示され、徐さんが軽妙に受け答えする。
徐さんは「ネットの生中継を始めたばかりの1週間だけでファンから現金換算で計約1万元(約15万2500円)相当のプレゼントをもらった」と語る。ファンはサイト運営会社からサイト内で通用するポイントを買い、これを使って画面に表示される架空のプレゼントをワンホンに送る。ワンホンは会社を通じプレゼントを換金できる仕組みだ。
徐さんの人気の秘密は、自身の整形手術もネタにするあけすけなトーク。「鼻の手術はどこでしたの? 痛かった?」との質問にも答える。これまでに数十回の整形手術をしたことも隠していない。化粧品ブランドを立ち上げ、自身が広告塔になってネット販売し、1年間で約300万元稼いだという。
ワンホンは多種多様だ。歌やお笑いのほか、大食いや寝ている姿を中継するなど何でもあり。芸能人以上に稼ぐ例もあり、「手軽に有名人になって金を稼ぎたい」との庶民の欲望を刺激する。毒舌トークで人気を博す女性の動画サイトなどの広告枠は、化粧品会社が約2200万元で落札した。
「ワンホンは身の回りにいる普通の人で、そこが魅力」と語る黒竜江省の男性(21)は「つまらないから」とテレビは見ない。ブームの背景には政府の統制が厳しいテレビに若者が背を向けている現状もありそうだ。(上海 共同)
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