「ロシア経済協力相」を新設 極東開発など具体化 世耕氏が兼務

 

 安倍晋三首相は、北方領土問題の進展を見据えロシアへの包括的な経済協力を先行させるため、新たに「ロシア経済分野協力担当相」を設け、世耕弘成経済産業相に兼務させることを決めた。1日、世耕氏を官邸に呼んで兼務を発令し「経済分野の協力推進に努力してほしい」と指示した。今年5月にロシア南部ソチでの日ロ首脳会談で提示した極東開発など8項目の経済協力について、具体化を進める。

 2日にロシア極東ウラジオストクで行われるプーチン大統領との会談で、こうした方針を説明する。ロシアが北方領土の実効支配を強める中、日本側の取り組みを示すことでロシア側の軟化を引き出し、領土問題進展につなげたい考えだ。

 菅氏は会見で、担当相新設について「日本の(対露)経済政策を推進する上で必要だ」と説明した。政府関係者は「世耕氏は対露経済協力について熟知しており、就任は適切だ」と述べた。

 世耕氏は第2次安倍内閣発足以降、官房副長官を務め、今年8月発足の第3次再改造内閣で経産相として初入閣した。副長官当時には、首相が8項目の経済協力を提案したのを受け、谷内正太郎国家安全保障局長や外務、財務など関係省の審議官級らとチームを編成。7月にロシアの経済発展相と会談し、協力の具体化で一致するなど、今月2日の首脳会談への環境整備を図ってきた。

 世耕氏は担当相として谷内氏らとのチームを継承し、12月の日本での首脳会談に向け、具体策を詰める。会談で成果文書をまとめる場合、内容を反映させたい考えだ。