確定拠出年金「前向き」2割 主婦層対象調査

 

 個人型確定拠出年金の加入に前向きな主婦は全体の2割程度にとどまることが、フィデリティ投信(東京)の調査で分かった。加入者は自己責任で投資対象を選ぶ必要があり、資産運用への不安感が背景にあるとみられる。5月の改正法成立で来年から加入が可能になった専業主婦ら約1万2000人に7月、アンケートを実施した。

 確定拠出年金に「加入したい」と明確に答えたのは4.7%。「加入を検討中または検討してみたい」も16.3%にとどまった。「加入したくない」は9.5%。7割近くは「よく分からないので何とも言えない」と回答した。

 老後の心配事項を尋ねたところ「生活費が足りなくなること」が半数近くで「自身や家族の健康」や「親の介護」を上回った。資産形成のためには「資産運用」や「パート収入を増やす」との回答よりも「生活を切り詰める」が多かった。

 確定拠出年金は、運用収益が非課税になるなどの税制優遇がある。ただ運用成績次第で将来の年金額が変動するため、リスクの高い金融商品に投資すれば給付額を増やせる可能性がある半面、損失が生じる恐れもある。

 フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史所長は「主婦は老後の生活費を心配しているが、お金は投資よりも貯蓄に回す傾向がある」と分析。投資に詳しくない主婦でも受け入れられる確定拠出年金の商品づくりが裾野拡大に向けた課題になるとの見方を示した。