NHK受信料「納得感あるものに」 総務省有識者会議 取りまとめ了承
NHKの改革に関する検討が本格化する。総務省の有識者会議は9日、「受信料を国民・視聴者にとって納得感のあるものとしていくことが求められる」などとする第1次取りまとめを了承した。業務の見直しや受信料のあり方などを総合的に改革できるかが焦点だ。
有識者会議は、「放送を巡(めぐ)る諸課題に関する検討会」(座長・多賀谷一照独協大教授)。インターネットとの連携による新サービス展開の促進など、放送業界全般に関する1次取りまとめを全会一致で了承した。
検討会設置の背景には、ネットによる動画配信が一般的になるなど、放送の視聴環境が変わってきたことがある。番組のネット配信は海外の公共放送が先行しており、特に24時間の番組配信は「膨大な視聴データを得ることができ、メリットは大きい」(総務省幹部)とされる。
ただ、現行法では常時、24時間配信することは認められておらず、NHKは検討会のヒアリングに対し、「テレビ放送の常時同時配信を可能とする制度設備についても検討をお願いしたい」と強調。効率化などとともに、業務見直しの柱となりそうだ。
ワンセグ機能付き携帯電話による受信契約の締結義務をめぐる8月のさいたま地裁判決も、こうした視聴環境の変化を映し出している。NHKは、テレビがなくワンセグ機能付き携帯電話を持っている場合も、受信契約の締結が義務づけられる「受信設備の設置」に当たると主張したが、地裁はこれを退けた。
控訴したNHKの籾井勝人会長は8日の会見で、「ワンセグ携帯も受像機の一つ」として、これまで通り受信料を徴収する考えを示す。
総務省は実態を調査する意向だが、NHKは「ワンセグを区別した契約はしていないから調べようがない」(籾井会長)としている。
受信料は地上・衛星契約で口座振替の場合、月額2230円で、総務省はNHKに引き下げを求めている。検討会では「公平負担の徹底」として、支払い率が約80%にとどまっている状況について改善させる必要も指摘された。ただ、総務省幹部は「強制的に徴収する形にするのは難しい」と話す。
ガバナンスなどの経営のあり方も重要な論点。これまでの検討会では「審議機関である理事会を議決機関化し、外部理事も登用すべきだ」などの意見が出ている。
■NHK改革の論点
【業務の見直し】
・インターネット活用の推進
・国際放送、地域情報の強化
・既存業務の効率化
【受信料のあり方】
・公平負担の徹底、合理化による利益を視聴者に還元
・納得感のある受信料
【経営のあり方】
・信頼される公共放送に
・ガバナンスの改善や経営の透明性を確保する
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