「国」を否定・軽視する民進党、やっぱり民主党DNAが色濃く流れている  

 
蓮舫代表代行=5日午後、東京・永田町の民進党本部(宮崎瑞穂撮影、撮影日:2016年8月5日)

【阿比留瑠比の極言御免】

 民進党の代表選に立候補している蓮舫代表代行の日本国籍と台湾籍との「二重国籍」疑惑と、それに対する同党の極めて薄い反応をみると、旧民主党のDNAが色濃く受け継がれているのを感じる。党の体質やあり方は、党名を変更したぐらいではそうそう変わるものではないのだろう。

 鳩山元首相そっくり

 蓮舫氏の疑惑の細かい検証は他記事に譲るが、本質は個人が特定の国家に所属していることを示す「国籍」への軽視にある。蓮舫氏自身もそうだが、疑惑発覚後も代表選の他候補も含めて特に問題視せず、蓮舫氏優勢も動かないという民進党は異様に思える。

 「国というものが何だかよく分からない」

 「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」

 民主党政権で初代首相を務めた鳩山由紀夫氏はかつてこう言い放ったが、蓮舫氏の二転三転する説明は、「国籍というものが何だかよく分からない」かのようである。

 自身の国籍も、国籍の持つ意味も理解しないような人物が、堂々と自衛隊の最高指揮官である首相を目指し、周囲から疑問も異論も出ないというのは、一体どういうことなのか。

 「民進党のイメージを思いっきり変えたい」

 蓮舫氏は先月の記者会見でこう強調していたが、今回の疑惑は逆に、民進党が旧態依然とした民主党時代の発想から抜け出せていないことを表した形だ。

 民主党は、国家解体を志向する政党だった。

 鳩山氏の平成22年1月の施政方針演説の草稿を書いたとされる劇作家の平田オリザ氏は、同年2月のシンポジウムでこう語った。

 「鳩山さんとも話をしているのは、(中略)やはり21世紀は、近代国家をどういうふうに解体していくかという100年になる」

 鳩山氏ばかりではない。次の首相、菅直人氏は市民運動や革新自治体の理論的支柱だった政治学者の松下圭一氏を信奉し、22年6月の所信表明演説でも「私の政治理念の原点」だと掲げた。菅内閣で官房長官を務めた仙谷由人氏も松下氏の著書をまくら元に置いて、年中読んでいたという。

 松下氏の政治思想とは、ひらたく言えば国家には解体・再編が必要で、国際的には国連などに統合され、国内的には地域に主権が移っていくというものだ。

 こうした「国」を否定・軽視し、市民と対立的にとらえる発想・思想が現在の民進党にも脈々と流れ、蓮舫氏の疑惑を放置し、不問に付すような姿勢につながっているのではないか。

 三文芝居に涙が出る

 また、民主党といえば、政権を取りさえすれば何でもできると信じていたような幼稚さが目立っていたが、7日の民進党代表選の候補者討論会での次の場面は、まるで小学校か中学校のホームルームの光景であるかのようだった。

 民主党政権当時の失敗について前原誠司元外相が深々と頭を下げると、玉木雄一郎国対副委員長が涙ながらに「謝ってほしくない」と訴え、それを蓮舫氏が「男なら泣くな」とたしなめたのである。

 これが子供たちのセリフだったならばまだいいが、いい大人、それも首相を目指そうという選良が演じる三文芝居には、座布団を投げたくなる。

 そういえば、民主党政権の立役者の一人だった仙谷氏は、著書『想像の政治 政治の創造』の中で「生徒会民主主義で育ち」と誇らしげに記していた。民進党はやはり、民主党時代から変わっていない。

(論説委員兼政治部編集委員)